綿木千晶は、夫と離婚したばかりで、毎日に苛立ちを覚えて、四年生の息子の樹と暮らしていた。

月に一度、母親が寝むる霊園に行き、墓守をしている日置凪という青年と出会う。

凪から朝顔(一秒のくるいを正してくれるという不思議な話)の種をもらう。





千晶は、小さい時から何が起きても「すいません」という言葉を常に発して過ごしてきたのが癖になっていた為に、

気持ちの余裕がなくなり

息子の樹にも知らず知らずのうちに苛立ちや押し付けが伝わり、謝らせていた。



霊園で、墓守の凪に出会い、何かが変わった瞬間があり、

元姑が訪ねてきた時に身構えたが、何となく前の印象から

柔いでいて

心の余裕が、感じられたように思いました。



次に凪と会った時に、不思議な朝顔の種を貰い、夢の中で育て

幼少期の頃に蓋をしていた記憶が蘇る。


たとえとして「うるう年にくる、ズレを治すように、一秒のずれ」が

人生を正してくれるような

夢の内容で、

鳥肌が立つような感覚が、伝わってきました。



いろずみの種は、

五年生の小野木ひまりちゃんは、担任のみかげ先生から、美術の授業の時に、工作に塗る色について問われたが、答えられずにいると

後で教室に来るように誘われていたのに

忘れてしまっていた。


すぐに、みかげ先生が精神的に病んで亡くなってしまい、

ひまりちゃんは、先生の幽霊が見えるようになる。


霊園のお兄さんが落として行った朝顔の種を持ち帰って、

ひまりちゃんは、一晩だけの朝顔を咲かせる。


咲かせ方が、絵を描いた画用紙をビリビリにちぎって細かくして土にする

鉢がわりは、パレットの広い部分になる


とっても素敵で、可愛くて、

夢のような花が咲いている様子が、目に浮かぶようでした。





不思議な種を持っている凪くんの素性が、とても気になっていましたが、

最後まで読んで、

育った故郷での出来事が、隠されていたことに、驚くばかりでした。


この小説を読んで、

「うるう」という言葉は、あまり物、削除したい物だが

ほんとうの意味は、

ズレに気付く、ズレを受け入れる、ズレに向き合う

ズレを正す


その先に何があるのか分からないが、現実を見つめて前を向いて歩くことこそが、

死者に対して、生きている者の責任である

と、教えてもらったように感じました。