西信之は、二十数年前に妻の病気もあり金欠で、財布の膨れた女の人からカバンをひったくる、必死で逃げてある食堂に駆け込み、冷静さに欠きトイレから抜け出した時、盗んだバッグを店に忘れてしまい、裏庭にマッチがあったので、その店を放火して逃げた。


最近になりその店が「ホール」という名前で、「死ぬほど旨い料理」がある、という噂が囁かれるようになる。

美食家、料理人、フードファイターたちが探しはじめる。





上原洋次郎はグルメ雑誌に、自分の評価で左右されてしまうレストランを連載しながら生活をしていた、

自分の舌を絶対的に自負していた為に美食の食事しか口にしなくなっていた時、噂の「ホール」に辿り着き、食する。

その後、舌が変わってしまったのか、今まで食べたことのないジャンクフードや駄菓子などを食べ続けて

あっけなく死んでしまう。



フードファイター件ジャーナリストのタカナシも、特別な記事の取材をする為にその謎のレストランに辿り着き、食する。

すぐにレストランの様子の記事を書いたコラムをパソコンに残す。

その後、まったくお腹が空かなくなり、何も食べない日々が続き

衰弱死する。



上原の助手の水木と、タカナシの同僚の横山は別々に

謎のレストランのことを調べ始める。




幻のレストランの「死ぬほど旨い料理」を食べている時の感想が


とても信じられない臭いから始まり

(かつて嗅いだことのない芳香に鼻腔がまどろみ、味わったことのない刺激に舌が興奮して、味覚が味覚として活発に息衡き未知なる感覚に酔いしれてしまう

唾液が糸をひいて………     

一度口にすると、止まらなくなる料理


何とかして食べてみたくなってきます。



間違った食の取り方をしている人達が、もし居れば

そこに「ホール」というレストランが出没するような予感がします。