芳野千鶴は、元夫からDVを受けながら、夜間のパン工場で働きながら疲弊する生活を送っていた

工場の職場から流れて来るラジオ番組で「思い出」という企画があり

幼い頃に生き別れた母親との一カ月間の旅行の思い出を投稿していた

そして受賞したと知らせが入る。


受賞をきっかけに生き別れた母親が住む女性ばかりの「さざめきハイツ」に避難することになる


そこに待っていた母親は、認知症を患っていた。


共に暮らしているヘルパーをしている彩子さんと、母親のことをママと呼んでいる美容師の恵真さんとの共同生活で、

認知を煩いながらでも

傷つきながらも、親子の接し方に模索していく様子と


そこに彩子さんの娘の美保が、別れた父親と男に捨てられたと、大きなお腹をして現れる

5人の共同生活が始まる。







千鶴が母親を見た第一印象が幼い頃の記憶とは掛け離れていて

52歳にしては老けていて、ずんぐりで太っている、派手な柄のワンピースを着ている


千鶴が少し拍子抜けたように感じました。



母親がやっていた仕事は、一人暮らし限定のお手伝いさん

ということで

ある余命宣告を受けたおばあちゃんの話が


(そのおばあちゃんが死ぬ前に昔に行き別れた恋人に会いたいと言われて

死に物狂いで探して

おばあちゃんを病院から連れ出して5時間車を走らせて元恋人との再会をさせた

その恋人の言った言葉が「一緒に季節を一巡りしたい」と言われたそうです


おばあちゃんは、一年長く生きられた)


と、いう話には、

感動しました。



一人暮らしをしている人は、大切な人を捨てたか、捨てられたか、

何らかの事情により一人になってしまったという

残りの人生は、自分らしく歩んでいる人達の生活を見て見たかった

という思いは、

とても興味を持ちました。


認知症は

記憶の感情を自身の奥底にある海に沈める病気

本人もその水面は、掬うことが難しくなる

と書いてあり


少しずつでも記憶の海を掬うという


新しい薬の開発が認定されて試すことが出来たら

沈んでいる記憶がある時にふっと浮かんできて掬えたら


良いなぁと願うばかりです。



千鶴はDVの元夫から

どう抜け出せるのかがとても不安でしたが、

周りの人達のおかげで


何とか安心する内容で終わっていたのでほっとしました。