「ピーチドロップス」という風俗店のオーナーで大学生の早瀬は、
自分を救ってくれたこのお店の元オーナーである大切な人、進藤渚さんが急に姿を消したことで、残された渚の娘の小学4年生の翼を育てながら
行方を探し、お店を守っていた。
同時に界隈では同業者の女の子達も行方不明になっていた。
渚の足取りを探っているうちに、事件に繋がるような人物
常連客、元警察官、現役小学校の教師が浮かび上がってくる。
早瀬くんが現役大学生という設定で、どうして特殊なお店のオーナーになっているのかが
とても興味を持ちました。
行方不明の捜索願いの届けを出しても受理されない人、されてもまともに捜査されていない為に
犯人が犯罪を重ねてしまう。
事件が起こらないと調べてもらえない
とても考えさせられました。
読んでいる内に、犯人と思われる人物の心の声が、
一人ずつ語られていて
育てられた環境からくる偏った性格が作られていたことに
なんとなく同情のような気持ちも湧いてきました。
だんだんと、全くの予想外の展開が待っていて
想像すらしなかった結末があり
だんどんでん返しのような出来事にビックリ!
5年後
中学3年生になった翼が最後に決断した行動は、早瀬くんのことを考えてのことで
結果的に良かったんだなぁと思いました。