上巻より

夏子は、別の婚約者がいるテニスの上手いボンボンの男と、駆け落ちをするが、別れる。

捷平は、怒りを抑えられなくなり

二人が別れた後に

両手に石を握り、夏子の別れた男に向かって殴りかかる。


読んでいて石で殴るのは、ちょっと危ないかな、と思いましたが、気持ちはすっきりしました。



テニス仲間の退部を賭けた

捷平とポンクとの試合が始まった


サーブ、レシーブ、ボレー、スマッシュ、フォアバンド、フォア逆クロス

といった

三時間四十分に及ぶ試合、

思わず力が入り、テレビ中継を見ているような感じになりました。


その試合を教授の部屋から望遠鏡を通して見ていた、辰巳圭之介教授

病で倒れた時に、血液が足らなかった為に、生徒から血液を貰っていた

その中の1人として捷平がいた


辰巳教授の言葉

「若者は自由と潔癖でなくてはならない青春の特権である」

と、

学者としての気骨とか厳しい中にも優しくユーモアを秘めた人から滲み出る人間教育が感じられました。


捷平は、試合中に自分のテニスは、覇道から

はっきりと王道へと変わっていった。


その事を教授にも理解してもらい「王道」という文字を書いてもらう約束をする。

その4ヶ月後に教授は亡くなる。


その後、心の病いと闘っていたテニスの上手い友達も自ら命を落とす。


四年間テニスだけにひたすら打ち込んで

身体も鍛えて

男らしくなりながら

女性に対しては、奥手で

身体と性格がとても釣り合わなく、反比例しているようで

そこが可愛らしくて、学生らしく、青春の王道なのかな、と納得


焦ったくも微笑ましく感じられました。



心も身体も踊らされて、若者が今しか味わえない経験を通して成長していく様子が手にとるように分かりました。


卒業後に

社会人になった夏子と捷平がどうなったのか

気になってしまいました。