1996年、塾の講師をしていて、戸川が殺された

犯人は、戸川塾の元教え子の

精神障害を持っている阿久津と判明する。


警察署の前までの足取りが掴めたが、その後、行方が分からず二年が経っていた。


事件を追う刑事の平正太郎は、上司から無視されていたが地道に捜査を継続させていた。


阿久津と関わった人達がどうのように癒されて、助けられていたのか

という内容です。






この犯人の阿久津がとても素直な性格が滲み出ています。


元中学の同級生の長尾豊子が偶然に見かけて、自首しようとしている阿久津を自然に自分の家に連れて行く時、素直について行き

何も言わずに

二年間匿ってもらう様子とか


猫に誘われて

父親に当たりやをやらされて生活している小学生6年の橋本波留くんが、ついて行った先が、阿久津の半地下生活の拠点の小窓みたいな所で、猫に会っているように

波留くんに賞味期限切れの弁当や惣菜を分けてあげる様子や


波留くんの絶望感だらけの毎日で

今にも飢え死しそうな生活から

明るい未来に変える出来事として


波留くんが諦めていた、学校の卒業旅行の日光行きを聞いて

阿久津は二年間の逃亡生活を辞める決意を豊子に伝えて

堕落した波留くんの父親との決別を決心させて

車で、波留くんを乗せて日光行きのバスを追いかける。



こんな優しい素直な阿久津が何故犯罪を犯してしまったのか、ずっと気になっていました。


刑事の平良は、とうとう関係者に何度も何度も話を聞いて

障害者に寄り添っていた塾講師が何故殺害されたのかを

やっと理解した。



ビックリした事に、1948年から1986年に「不幸な子供の生まれない運動」のような政府の方針が施行されていた事が影響していた。


本人の同意のない優生手術のことは、報道などで聞いたことがありますが、


たくさんの人達の不幸を招いていたのも事実なんだと

改めて悲しくなりました。




最後に、

波留くんとバスケの友達の中村桜介くんとの

日光東照宮の陽明門の柱を見ている様子とか、天井の龍を泣かす為に拍子木を二人で打つ様子は、


涙が出てしまいます。

波留くんの小学生らしさが感じられて、とっても嬉しくなりました。