May. 2021 in New York city | 中島健人くんに妄想の暴走

中島健人くんに妄想の暴走

可愛い LOVE ♡ Honey に愛をこめて。
健人くんと、疑似恋愛しよ ♡

 

 おれは彼女を 「 NAGI 」 と呼んでいた。

 「 SOSUKE 」 は舌を噛みそうになるから。

 

 と、 3 才年上の彼女は。

 おれのことを、「 ソウ 」 と呼んで甘えた。

 

 knock knock knock

 おれが、ボスの部屋に呼び出されたのは。

 

 『 失礼します お呼びでしょうか 』

 

 糸のように細い雨の降る、静かな朝だった。

 高層階にある、オフィスの外は 雨

 

 濃い霧に覆われていて、視界が悪い。

 デスクの脇には、早咲きのハイドレンジアが。

 

 赤紫色のまぁるい頭を、もたげていた。

 時期的には、まだ少し早いと思うが。

 

 花好きの、秘書が 黄色い花

 どこかの花屋で、見つけてきたのだろう。

 

 和名 : アジサイ。

 夏のあいだ、街中でこの花を見かけるたびに。

 

 遠い遠い昔の、雨の匂いを思い出していた。

 『 これを、見てくれ 』

 

 ボスから。

 ウチの売り上げを表すグラフを、見せられた。

 

 世界 30 か国で、展開している中 地球

 「 THE MOST JAPAN 」 が、低迷している。

 

 このままでは、休刊。

 いや、廃刊も免れないだろう。

 

 ボスがトントンと、指で示した。

 『 君の手腕を、発揮してみる気はないか 』

 

 向こうには 日本

 副編集長のポストを、用意してある。

 

 と。

 そういうことか……。

 

 「 日本 」 

 11 才のときに、父親と一緒に。

 

 NY に引っ越してきて以来、 16 年間。

 一度も帰っていない、おれの DNA

 

 『 返事は、明日まででいいから 』

 打診という名の、業務命令である。

 

 

 時を同じくして、専属モデルの NAGI は。

 「 THE MOST 」 との。

 

 契約更新の時期が、近づいていた。

 細かい交渉など、必要ない。

 

 分厚い契約書の、最終ページに。

 いつもどおり、サインをするだけだ。

 

 だけど今回、彼女はそれを蹴ったのだ。

 条件は、決して悪くなかったはずなのに。

 

 これを機に、フリーになって。

 おれとの関係も、解消したいと言った。

 

 ケンカ別れではない。

 性格の不一致なんて、陳腐な理由でもない。

 

 ひと言 「 日本は、遠すぎる 」 と。

 思えば、ただ単に。

 

 体の相性が、よかっただけなのかもしれない。

 「 愛してる 」 なんて、いくらでも言えるのだ。

 

 母は、アメリカに渡る前に事故死した。

 父は 6 年前に再婚をして、新しい家族と。

 

 今はシアトルで、幸せに暮らしている。

 これで、もう。

 

 帰国をためらう理由は、何もない。

 その日の夜、おれはボスにメールを送った。

 

 『 YES 』

 

 急遽、おれの帰国準備が始まった。

 

 

 

 

 

 

 

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