一晩中悩んでも 決められないのだから
一週間 考え込んだところで
たぶん 堂々巡りだと思う
どれが 正解なの!?
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いっそのこと
落選の通知で、あきらめさせて欲しい
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彼は一段下りると右手をスッと差し出し。
壁に背をつけ、中央を広く空けてくれた。
片や黒髪の彼は、というと。
不機嫌そうに、無言で私をイチベツし。
楽しい時間を、邪魔しやがって!
とでも言いたそうな、険しい表情だ。
そんなことより驚いたのは私の方である。
「 えっ 」
彼の銀髪は、もしかすると。
黒髪を、染めているのかもしれない。
振り向いた彼らは、共に。
アジア人と思しき、顔立ちだったのだ。
ここは、他国とも陸続きになっていて。
なかでも、隣国からの旅行者が最も多い。
と、聞いていた。
案の定、彼らも同じことを思ったらしい。
すれ違いざまに。
「 Chinese ? 」
と、訊ねられた。
「 No, I'm Japanese 」
「 Japanese?! おれたちも!観光?! 」
異国の地で、こんなにも早く。
日本語に遭遇するとは、思わなかった。
丁寧語だの、謙譲語だの。
複雑な使い分けは、無いらしい。
一見。
( 軽いなぁー )
と感じるけれど、彼らには普通なのだ。
「 Yes 」
と短く答え、私は歩を進めた。
顔立ちは、アジア系でも。
きっと、現地の人間なのだと思う。
その証拠に。
後ろの彼らは声を潜め、何やら早口で。
聞きなれない言葉を、交わしている。
階段を上り切り、地上に出たところで。
再び、流暢でフレンドリーなタメ語が。
数段下から、私に向かって飛んできた。
「 ねぇ! ちょっと待って 」
背の高い彼が、リズミカルに。
軽快な足取りで、駆けあがってくる。
地上から差し込む、太陽の光に。
サラサラの銀髪が、透けていた。
真冬の外気は、キリリと冷たいけれど。
雲ひとつない真っ青な空が、清々しい。
「 あのさぁ… 」
そして、それ以上にまぶしい。
彼の爽やかな親しさに、私は身構えた。
もしかして、Japanese NANPA っすか。
私、カモにされてんの?!
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