デートの待ち合わせで、何時間待てるか?
彼にとっては、それ以前の問題である。
「 時間を守れねぇ女なんて、論外だろ 」
こんな強い口調では、言わないにしろ。
自身にも彼女にも、厳しい中島は。
おれの女だからこそ、遅刻癖のあるコを。
「 ねぇーわ 」 と、思う。
そんなことよりも。
『 何でも許しちゃうコっていると思う 』
聡ちゃんが、まじめに語った言葉に。
『 許しちゃう系女子だったらぁー 』
と、君のキラキラの瞳が反応した。
君の中の、妄想シーンに。
『 他の男に、言い寄られたときにぃ 』
さっきまでの、待ち合わせ想定の自分は。
もう、いない。
『 許しちゃう懸念があるって事でしょ 』
『 うん。 そ、そ… 』
会話に、小さな違和感を覚えながらも。
素直な聡ちゃんは、短く答える。
そして、中島の脳内では。
照明を抑えた、 BAR のカウンターで。
「 言い寄る他の男 」 になった、おれ。
『 許しちゃう系女子、あぶないねぇ 』
と言いながら、彼の鼻声は嬉しそうだ。
ヤツの、しゃべりのテンポが速すぎて。
中島が勝手に、二人 ➡ 三人称へと突然。
飛躍させてしまった 「許しちゃう」 に。
あれれ? 聞き上手な聡ちゃんは。
気づくタイミングを、逃しちゃったのか。
『 あぶない…とぉ……思わない? 』
同じ言葉を、繰り返してみたけれど。
小声の相づちが、フェードアウトがち。
その後も、頭の(?)を泳がせたままで。
中島の話に、ツッコむこともせず。
『 Kenty がぁ、もう遅刻許せない!… 』
と、僕と彼女の待ち合わせ設定を続ける。
台本に忠実な、聡ちゃんが愛おしい。
『 アレだなぁ、取り締まンねぇとなぁ 』
って、やぁ~ん ♡
両手首拘束の、お仕置きですかぁ~?!
mayu.
