こんなことは、的中しなくてもいいのに。
昨日までの快晴とは、打って変わって。
「中嶋は、ホントに雨男だねぇ」
と。 一年前と、さらにその前と。
そして私は、今年も同じしぐさで。
「今日は、すっごく寒かったなぁ」
血液循環の悪い、指先をさする。
「俺かよ!」
地元の今日の最高気温は、6.5 ℃ だった。
「だって、昨日はいい天気だったんだよ」
他のメンバーが、一日早く現地入りをし。
地元の放送局を、飛び回っている間。
いくつもの仕事を同時進行で抱える彼は。
その中の大きな仕事を、ひとつ終わらせ。
「3人じゃないことは、確かでしょう?」
みんなよりも、一足遅れてやってきた。

君は。
女の子だけじゃなく、空までも泣かすんだ。
「それでも少し、小降りになってきたね」
暗い窓に目を凝らし、月の出ていない。
空を見上げながら、独り言をつぶやく。
彼は。
自分の部屋から、こっそり抜け出し。
我がモノ顔で、くつろいでいるけれど。
数時間前までの、仕事の余韻と。
耳に残る歓声とが、抜け切れていなくて。
消音にした、ケーブルテレビの。
ミュージック・ビデオ番組を、観ながら。
『 ♪ 終わぁらない Slow Jam 』
ほんのわずかな、アルコールを含み。
自身の新しい歌を、少し疲れた表情で。
口ずさんでいる。
私は。
「うたた寝する前に、部屋に戻ってね」
と、彼のワイングラスに口をつける。
今日は、いつもよりちょっぴり渋めの赤。
うーん、あまり進まないところをみると。
甘口の方が、よかったのかなぁ。
゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆