「思い出し笑いかよ、やらしーなぁ」
数年前に、個人的な諸手続きがあって。
何日もかけて、市内を走り回っていた。
「ん、ちょっとね。思い出した」
平日は、9時~17時まで仕事があり。
「またエロいことでも、考えてんだろ」
「さぁ?」
官公庁の窓口も、同じ時間帯で。
移動時間も含めると、半日は潰れる。
ったく、誰のための窓口なのかと思う。
「前のヤツ?」
全然、違うよ。ジェラ男くん。
ぜ~んぜん、つまらない話。
みんな、ひとつしかない体で。
プライベートの用事は、どうしているの?
まずは、区役所の窓口で説明をしてみた。
通常の事務処理の、範囲外だったらしく。
ずっしりと分厚い、書物を抱え。
奥の席から、エキスパートが現れる。
後日、市役所のカウンターに座ると。
担当者が、書類に覆いかぶさった。
無言の空気に、退屈をした私が。
「あまり、例がありませんか?」
その頭頂部に向かい、声をかけると。
「レアな、ケースですね」と、ひと言。
また、黙々と読み込んでいる。
レアなんて、てっきりステーキ肉の。
焼き加減の事だと、ばかり思っていたし。
更に数日後、法務局へ向かう。
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『中島健人くんへ 敬意を表して』