*以下、夫または旦那と出て来ますが元夫を指しています。



旦那の運転で無人契約機へ向かいます。

車中で何度も謝る旦那に腹が立ち、手が出そうになるのを必死に堪えていました。


私が結婚後に借金をするなんて、無人契約機なんかでお金を借りるなんて…どうしてこんな事になるの…情けない。


私は夫に借りる額は10万円だけ。と伝え毎月3万円づつ返済し、完済後、カードは処分する事を約束させました。


今思えば、借金をする人はこんな時、どんな約束でもします。

目の前のお金を手にする為なら涙も流します。
きっと土下座でも何でもするでしょうね。

旦那もそうだったのです。

あらゆる言葉を使い私に借金を頼み込んだのです。



無人契約機に着くと“ベテランの旦那”に教わりながら2人で契約を進めて行きます。


小さな無人契約機の中には更に小部屋があり、入ると鍵がかかります。



途中、備え付けの電話が鳴り「後ろにいる男性はどなたですか?」と聞かれました。


私は夫だと答えると、契約中は本人以外は中には入れない決まりがあり、外で待つようにと指示が入ります。


今から開錠しますので、お願いしますと言われ夫は外へ出て行きました。



1人になると再び電話が鳴り、一緒にいた男は本当に夫なのかを何度も確認されます。


おそらく、カメラの様子を見ていた消費者金融の社員は、ビクビクしている女性、指差しながら指図する男性の様子に不審に思ったのだと思います。

無理やり連れて来られてる?あながち間違えではない。

そもそも2人で入ること自体、あり得ないでしょうし、夫が妻を連れて来るような場所でもありませんからね。



手続きを終えると、出来たばかりのカードを握り、そっと機械へ差し込みました。


カードは滑らかに飲み込まれ、現金を吐き出し、私は10万円を手にしたのです。


私が消費者金融から借金をした瞬間でした。