昨日、お墓参りに行ってきました。
【お寺の肝試しと先代和尚】
整地されたお寺の境内を何気なく歩いていると、ふと小学生の頃にハマっていた「深夜の肝試し」のことを思い出してしまいました。
今では考えられませんが、私が小学生の頃は深夜に子供たちだけで外を歩き回るのも普通で、不思議な時代。
高学年の頃、近所のお寺に忍び込んで遊ぶ「肝試しゲーム」が仲間内で空前のブームになっていたのです。
当時の境内の通路は未舗装のあぜ道のようで、暗闇の中では非常に歩きづらく、それがまた格好の恐怖演出になっていました。
私たちの「肝試し」は少し変わっていて、ただ歩くだけではありません。
墓地の中央にある掃除道具置き場をスタート地点とし、碁盤の目のように広がる墓道のそれぞれ別ルートへと進み、暗闇のあちこちでお互いを脅かし合うというルールでした。
参加者全員が「脅かされる側」であり、同時に「脅かす側」でもある。
泣き出す奴やおしっこを漏らす奴まで出て大問題になりましたが・・・![]()
今振り返ると、本当に罰当たりな遊びです。
そしてお盆も近くなったある夏の日、「チャンピオン決定戦」と称して、私を含めた3人の猛者で深夜の墓地に忍び込みました。
ルールはシンプル。飽きるまで脅かし合い、驚かされた奴はその場で目をつぶって10秒数えたら復帰。
大した取り決めもないテキトーなゲームでしたが、当時はそれがとにかく楽しかった。
暗闇の中でお互いを探しながら走り回っていると、突然声が聞こえました。
「おーい、集まって!」
誰かがみんなを呼んでいます。
「なんだなんだ?」と声のする方へ向かうと、友達の隣に見慣れない大人の姿がありました。
闇の中に立っていたのは、袈裟を着た和尚さん。
「やばい、見つかった・・・!」
心臓が跳ね上がりました。
案の定、私たちは夜の墓地でこっぴどく説教を受けることになりました。
——話は、その年のお盆へと変わります。
実家に棚経をあげに来てくれたお坊さんの顔を見て、私はホッと胸を撫でおろしました。
あの日、深夜の墓地で私たちを怒鳴りつけた和尚さんではなかったからです。
胸のつかえが下りた私は、後で祖父にそれとなく尋ねてみました。
「ねえじいちゃん、あのお寺の和尚さんって体の大きな人じゃなかった?」
すると、祖父は不思議そうな顔でこう答えたのです。
「ああ、その和尚さんなら・・・昨年、亡くなった先代さんだよ」
背筋にサーッと冷たいものが走りました。
あの夜、自分たちを叱り飛ばした袈裟姿の人物は、一体誰だったのか・・・。
結局、その事実は誰にも話していません。
怖かったから・・・というより、「話したら来年あの楽しい肝試しゲームができなくなる」と子供心に思ったからなのですが・・・。
ちなみに、その次の年は「戦争ゲーム」という新たな遊びがブームになりました。
筥崎宮の長い参道で2チームに分かれ、ダンボールの盾で身を守りながらロケット花火を打ち合い、ダンボールの基地を守るという危険極まりない遊びです。
爆竹や花火から取り出した火薬をガチャガチャのカプセルに詰め込んだ自作爆弾(かなりの破壊力)まで飛び出し、案の定、火傷やケガ人が続出して一発禁止になりましたけれどね。
