一人になるのは平気や。
大事なモン失くすくらいなら、最初からない方がええ。
友達居らんし、要らんねん。
「早くよくなるように子守唄歌ったる」
「早くよくなるおまじないや」
「跡になったらアカンし」
「そこ寂しいな、ええモン描いたる」
「よんばんよんばん」
「……あの、遊騎クン」
「なんや?」
渋谷荘肆号室、コード:04の布団にはコード:03が、我が物顔で横たわっていた。
最近は妙に絡んでくる。
「…いや、オレの布団だよネ」
「ちゃんと隣空けてあるで」
「いやいやいや!意味わかんねーヨ!」
一人分のスペースを開けている遊騎にツッコんだ。
「今日は添い寝付きで子守唄歌ったる」
「あ、あのね遊騎クン、いくら開けたっつっても野郎二人が眠るスペースとしてはキツイって」
「大丈夫や、ちゃんと引っ付いて寝るし」
「あー、ホラ、オレ寝相悪…」
「ええからさっさと隣寝ろや」
「はい」
殴りそうな睨みで言われると、おとなしく刻は隣に寝転んだ。
狭い。
いつもは真上を向いて寝るのに、スペース確保で横向きになると傷口が擦れる。
どうにか寝やすいようにと体を揺らしていると、目が合った。
瞬きすら忘れたような相手の瞳は、何となく、逸らしにくい。
「…寝るんダロ?」
立っていれば後ずさっていたかもしれない。
「寝るで。よんばんが寝たらな」
「あんまし見られてると気になるんですケド…」
「そんならこうしたらええし」
遊騎の腕が刻に向かう。
有無を言わさず体を引っ張ると、刻の頭を胸元に収めた。
心音が、聞こえる。
「これなら顔見とらんでもええやろ」
「お、う…」
「命の音ってな、メチャ安心すんねんで。オレは親とか知らんけど、懐かしい気分にはなる」
ポンポンと、背中を優しく叩かれた。
「皆、音違うんや。にばんは何してても落ち着いてて、ごばんは少し高い音、ろくばんは優しい音で、よんばんのはな…」
言葉を区切る。
ゆっくりとした音と寝息が、遊騎の耳に届く。
「…よんばんのは…」
眠った相手に続けようとした言葉を飲み込んだ。
遊騎も目を閉じる。
言おうとした言葉が、今の音にあまりにも不釣り合いだった。
いっつも早い音がして、強くなろて緊張しとる。
ちょっとくらい、気ィ抜いたってええんやで。
よんばん守るのはさんばんの仕事や。
仕事、やで。
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確実にこの後頂きまry
すいません、オレの中の遊騎くんはこんな優しくないです。