死から時間が経つにつれ、少しずつ父の遺していったものが明らかになってきた。

銀行への借入金、別荘3つ、クレジットカード複数枚…などなど。

 

まず、この銀行への借入金は本人死亡の場合でも支払いの義務があるとかで。

確か80万前後だったかな?母が支払った。

 

次に別荘。別荘3つ…

1軒は母も知っていた。

その昔、まだ私たちが一応「家族」として機能していた頃、父が購入したそうだ。

事後報告を受けたらしかったけど、母自身関心がなかったのかな?

私はその話を母から聞いたことがあったとしても、あまり記憶になかった。

残りの2つは、マンションを複数人でシェアするタイプらしかった。

そういうものもあるんですね…

「別荘」。

別荘って、富裕層が休暇のために所有するイメージ。

別荘3つって…どうかしちゃってるにも程がある。

1回でも利用したことあったんだろうか???

それとも不動産投資とか、そういう感じ???

ある程度「時代」がそうだったとしても、私には父を理解することなど到底できなかった。

これまで縁のなかった「別荘」。

一度は切り替えて「1つぐらいは持っていてもいいのかも」と前向きに検討してみたけれど、

やはりこの先私たちが使うとは思えなかったので、「手放したい」という趣旨を管理会社に

連絡してみることにした。

すると…買い手がない今の時代、手放すにもお金がかかるという。

お金を出して不動産屋?管理会社?に買ってもらうような感じだったかな?

それも決して安くはない金額… というか、私には支払い不可能な額。

それが3つもでしょう…

だからと言って保有していたら、固定資産税や管理費を払い続けていかなくてはならなくて、

それはそれは大変な金額になる。

もうお金を払ってでも買い取ってもらうしかなかった。

 

クレジットカードの多さにも異常さを感じた。

「カード作りませんか?」と声を掛けられる度に作っていたんだと思う。

一体何社に電話を入れただろう。

そのうち頭がこんがらがってきて、何が何だかわからなくなった。

「普通」の域をはるかに超えたキチガイの沙汰だった。

 

 

この時点では。

父が加入していた生命保険はもぅ何年も前に「解約されている」ということで、

父の負債はすべて母が負っていた。

母が働いて働いて働いて貯めてきたお金が、父の勝手すぎる行動にどんどん

吸い取られていく。

なんで散々自分勝手やってきた人間の後始末を、一生懸命真面目にがんばってきた

母がしなくてはいけないのか…

私たちのマンションを売らなきゃいけなくなったら???

そうなったらワンコたちはどうしたらいい?叔父たちのところ???

相続放棄するべき?だとしたら父方の誰かに迷惑をかけてしまうんじゃ???

「父の負の遺産に人生をぶち壊されてしまうのか」と思うと、恐怖で眠れない日々が続いた。

 

 

発狂したかった。

気が狂いそうだった。

骨壺ごと投げ捨ててやりたかった。

「ごめんね、ごめんね、私があんな人と結婚したばかりにあなたにこんなにイヤな思い

させて…」と私に泣いて謝る母が不憫で仕方なかった。

 

 

もう本当にどうしていいのかわからない…

2匹の可愛いワンコだけが心の支えだった。