もうずいぶん前のことなので記憶が薄れていますが、英検一級対策で大変だったのは2次試験です。何しろ英語圏に行ったのは大学時代の短期留学だけで、40日程度です。本当に自然な英語が話せるのか自分でも半信半疑でした。


さっき調べてみたら私が受けた頃と今で2次試験の内容は変わっていないようなので、当時成功したやり方をお伝えします。


自分でやった対策は、2次試験のトピックについて原稿を作り、それをやり込むことです。英検一級の2次では2分間の即興スピーチをしなければなりません。それも社会問題や経済問題など、日本語で話すのも苦労するようなテーマです。最初に5つのテーマを書いたカードを渡され、その中から一つ選んでスピーチをします。考える時間は1分しかありません。その時間で選んで内容も組み立てなければいけないのです。ちなみに、英検協会が出しているサンプルでは、テーマは以下のようになっています。



一番、国連は国際政治でどのような役割を果たすべきか?
二番、富裕層は貧困層を社会の中で助ける責任があるか?
三番、伝統は常に保持する価値があるか?
四番、生徒は教師を評価するよう求められるべきか?
五番、賛成か反対か、オリンピックは商業化され過ぎている

どうですか?話せる自信はありますか?考えたことがないと大変です。日頃から時事問題にも興味を持ち、日本語でも英語でもニュースを見たり読んだりしておくべきです。


その上で、出そうなトピックを最低50個選び、そのテーマで英語で意見を書きます。過去問が英検協会のサイトでも見られるので、そこから選ぶのもいいし、対策本にも出ています。


書き方は日本語の場合とそれほど変わりません。まず賛成か反対か立場を表明し、理由を3つ程度述べます。次に自分と違う意見の人からの反論を想定して、それに対する答えに少し触れます。最後に結論を繰り返して終わります。書き終わったら出来ればネイティブの先生に添削してもらってミスをチェックし、それから何回も音読して覚えてください。ある程度練習したところで、その50以上あるテーマについて原稿を見ながら録音します。録音できたらそれを何度も聴いて頭に叩き込みます。この段階ではただ覚えるだけでなく内容や話し方を考えたり、その後の質疑応答への対応も想定しながら聴くようにします。本番ではスピーチの後で試験官から内容についていろいろ質問されるので、自分の意見を補完する話も用意する必要があるのです。


録音を聴く利点は自分の声を客観的に分析できることです。ここの発音がおかしいなとか抑揚が不十分だとか欠点にも気づきやすくなります。出来ればスピーチそのものの予行演習もしたいところですが、最低英検2級以上の人に聴いてもらわないと感想を言うこともできないので一人では難しいかもしれません。ただ、正しい英文で書けていて内容もそれなりに充実していれば、合格点は取れるはずです。50以上の話題についてそれだけ話せるだけで只者ではないのがわかりますよね。どうしても聴き手が見つからない人はせめて動画を自撮りして見てみるのもいいですね。これは自分の姿勢とか話し方を視覚的に検討するのが目的なので、3個くらい撮ればいいです。


敢えて2次試験から対策を書いたのは、1次試験だと準一級までの延長でいいけれど、2次試験では一級独自の対策をしなければいけないからです。


次回は一級の一次試験の対策で英作文を中心に書きます。