私は若い頃に不動産を購入するためにいろいろ勉強しました。

そのうえで購入したのが築30年の中古一戸建てでした。

家屋の価値はほぼゼロで、土地代のみのような案件でしたが、

購入価格は2240万円でした。

バブルがはじけて坪70万円が今は坪25万円になっていますので、

売れたとしても800万円以下だと思います。

 

中古住宅を売ることは難しいと知っていましたが、

JR駅徒歩5分の好立地なので、貸すことは簡単でした。

転勤族だったので、住んだのは2年ほどですが、

貸家にした期間は30年以上経ちます。

立地さえよければ1戸建てでも貸せますので、

中古の1戸建てはトータルでは賃貸より良いかもしれません。

 

そして2年前に終の住処の新築マンションを2940万円で購入しました。

価格的には十分満足していますが、

新築は購入した時点で2割以上の価値逓減となります。

これはあくまでも資産価値ではなく、住むことだけにお金を払っています。

 

不動産の購入価格としては、2240万円と2940万円の合計で、

5180万円となりますが、おそらく一般的な1棟の新築1戸建ての価格といえるかもしれません。

つまり結果的に1棟の家の購入価格を分散する形となっています。

若いころに読んだ本で、自分が住む家と人に貸す家を分けて保有した方が良いという

内容がありました。

期せずしてそうなっているわけで、その効能も理解しています。

よく賃貸が得か、持ち家が得かという論争がありますが、

個人ごとのライフスタイルによって異なります。

会社で補助金が出るなら、間違いなくその間は借家が得ですし、

社宅があれば社宅で充分だと思います。

その根拠は人が長生きするようになったからです。

 

どんな家でも50年保有すれば、リフォームが必要となります。

つまり2回家を購入する(リフォーム含む)時代になったのであれば、

1度家を購入することを前提に考えない方が良いと思います。

仮に2回、家を購入するのであれば価格の高い家を購入することは

相当厳しいものがあります。

人は先を見て行動することは難しく、目先の問題だけで考えてしまう傾向があります。

子育てが終わり、子供がいなくなることを想定しておかないと、

無駄が生じるように思います。

部屋が4つ以上ある一戸建てで、独り暮らしの老人が住んでいても、

ほとんどが管理に手が届いていません。

私なら独り暮らしになった時点で、元気なうちに1戸建てを売り、

こじんまりとしたマンションに移ります。

手間だけれども結果的にその方が良いと思っています。

 

自由度という意味では賃貸は良いと思いますが、

老人には賃貸物件を貸してくれないという現実があります。

そうした理想と現実のギャップを理解したうえで、

最適案をプランし、行動する必要が老年期に訪れると思っております。