コロナ隔離と人権 | mayas-bilingual-blogのブログ

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 コロナ隔離と人権

 

 

 

渡米してもうすぐ4年になり、アメリカの生活にすっかり慣れた私ですが、やはり日本は恋しくなるものです。

 

去年の秋頃、コロナの新規感染者も少なくなり、社会全体がようやく落ち着いてきたという時に、年末に実家に帰省する予定を立てました。その後12月に入り、オミクロンが流行し始め、渡航規制がどんどん厳しくなっていきました。それでも、久しぶりに家族や友達に会いたい、年越しを日本で過ごしたいという思いの方が強く、帰省のプランはそのまま。少し規制が厳しくても仕方がないと腹を括っていました。

 

12月末になり、自分のフライトの日にちが近づくと、帰国後3日間はホテルで強制隔離、その後11日間自宅で隔離、その間政府指定の位置情報シェアアプリをインストールし、きちんと隔離を行っているか管理されることになっていました。少し、やりすぎかな〜とは思いつつ、母国のオミクロン感染者を増やすことはしたくはないので、しぶしぶ規制に従うつもりでした。

 

飛行機到着から成田空港を出るまで約7時間かかり、貸し切り大型バスで、強制隔離ホテルへ出発したのは、午後10時過ぎでした。その間食事も飲み物の提供もありません。

少しずつこの時期に帰省をしたことを後悔し始めました。

 

ホテルでの隔離生活は、正直拘置所や刑務所に入れられている気分でした。

館内放送により、毎朝必要以上に大きなボリュームで強制起床、配食のアナウンスなど、生活リズムが決められ、時差の大きな所からの帰国者には堪えました。政府指定の位置情報シェアアプリ(MySOS)で、1日2回のビデオ通話と位置情報のシェア、1日1回健康状態の報告も欠かさず行います。

強制隔離2日目、保健所から電話があり、機内で濃厚接触者になったため、残りの隔離期間もホテルで過ごさなくてはいけないと聞かされました。

閉所恐怖症のパニック発作が起きたように感じました。なぜこの小さな部屋で囚人のように全てをコントロールされて、菌のように怯えられて、隔離して過ごさなくてはならないのかと…

独りビジネスホテルの小さな部屋で心細くなり、自分と同じ見解の人はいないかとネットで探してみても、ほとんど何も見つかりませんでした。唯一見つけることができたのは、橋下徹さんの記事。自分の意思と関係なく宿泊施設に隔離され、24時間居場所を管理されることが人権侵害になるというものです。

 

橋下徹さんは海外から帰国する日本人の強制隔離に対して、「今は『隔離』も必要な措置だと思いますが、これって実は、憲法上、重大な人権侵害なんです。憲法第22条で、移動やどこに住むかは基本的な自由として保証されているのに、簡単に『隔離』だとか、ここにいなさいと『居所指定』することが、日本ではなんとなく当たり前のようになってしまっているのは非常に危険です」と述べています。

 

また、橋下徹さんは、政府がコロコロと規制のルールを変えることについて、「入国のところで気になったのは今、ルールがないから濃厚接触のところだって、簡単にルールが変わるわけです。僕らの立場だったら全部、止めてくれっていう思いはあるけど、止められた方、自分がやられた立場になったら、そりゃ腹が立ちますよ、ルールが違うやんかと。前は(国際線の従来のルールは感染者の)前後2席(が濃厚接触者)だったのに、今度は飛行機の中、全部になるわけですよ。全く今、ルールがないんですよ」と続け、「国会議員が何もルールを作ってないから。権力側の方が自由自在、好き勝手にルールを作れるってのは気持ち悪いですけどね」とコメントしています。

 

実際、同じ機内の人が陽性だった場合、私が感染する確率は0.1%程度だと証明され、私が2週間のホテル隔離期間中”濃厚接触者”の定義が機内全員から、前後2席に戻りました。それでも、私は自宅に帰ることを許されず、残りの期間一人で過ごすことを余儀なくされました。

 

規制がロジカルで、実際に効果があることが証明されているのならどんなことにも協力します。でも、”厳しすぎるくらいが丁度いい”と感情論で規制をコロコロ変えられて、それに従うしかないという状況は、人権侵害以外の何者でもありません。

 

皆さんはどう思いますか?社会のためなら、自由を奪われ、囚人のように生活することに納得できますか?