2015年8月16日
Jリーグ第24節(2nd 7節)


鳥栖 VS 山形 3-1(鎌田 水沼 白)


前:6勝9敗8分 13位
後:7勝9敗8分 12位(2nd11位)


~王の帰還 若鳥の躍動


■前提
2015年第24節

真夏の連戦を抜けて、中2週間空いた鳥栖。
対する山形は最下位かつ中3日という日程。

豊田、丹羽、林が怪我から復帰したという情報もあり
中断期間でのAマドリーとの善戦もあり、
順位のわりに前向きな状態での試合となった。

■スタメン
GK:林
DF:吉田 菊地 ミンヒョク キムミヌ
MF:藤田 高橋
MF:水沼 鎌田 早坂
FW:谷口


■前半
鳥栖は守備を意識した3バックではなく、原点回帰の4バック。

これが奏功する。
一番の恩恵を受けたのは鎌田。

サイドではなくトップ下であるため、守備の負担が少なく、
谷口が潰れたところを上手く拾って質の高い攻撃を繰り広げていた。

SBに下がったキムミヌも低い位置からのビルドアップに貢献。
そのミヌからのロングパスをきれいに収めた早坂のマイナスの折り返しを
フリーで受けたのは鎌田!

そしてダイレクト!!ではなく、柔らかいトラップから
往年のピクシーの天皇杯でのゴールを彷彿とさせる
優しいフェイントからのスライドドリブルで
相手DFがたまらずスライディング。

これを見極めてゴールに流し込んで見事先制!

その後も中盤での攻防に勝った鳥栖がボールを支配する。
右サイドからのクロスを谷口がフリーでヘディング!

さらに早坂が前線でカウンターから鎌田のミドルシュート。
こぼれ球を拾っての水沼のミドルシュート。

山形もRフランク、ディエゴの個人の強さは目立っており
シュートまで行くシーンはあるものの終始鳥栖ペース。

しかし追加点は奪えず、1-0で前半を折り返す。



■後半
後半は一転山形が盛り返す。

より激しく当たってくるようになり、セカンドボールを拾い始める。
波状攻撃を受けた鳥栖は、CKから早々に同点を許す。

今年の鳥栖はどうしても耐え切れない。
もしくは突き放しきれない試合が目立つ。

この試合もこのままジリジリと引き分けなのか・・・

しかし、鳥栖にはこの男が居た。
諦めない鳥栖の象徴
もっとも諦めの悪い男、、、、豊田。


早坂に代えて投入された豊田はその存在感で前線に起点を作る。
また、交代と同時にシステムも変更していた。
4バックはやはり攻撃的な布陣となる。

そこで同点に追いつかれたものの、
『取り替えそう!』 と無理やりに攻撃的な布陣になるのではなく
豊田投入と同時に3バックとなった。

谷口をCBに下げて、

--谷口 菊地 ミンヒョク
吉田 高橋 藤田 キムミヌ
--水沼    鎌田
--------豊田

という3-4-3のフォーメーション
このシステムの利点は説明済←

サイドに吉田-水沼 ミヌ-鎌田 と2人居ること。
さらに菊地がボランチまで上がれば藤田が前線にプレスに行ったり
最前線でプレーしても守備が破綻しないこと。
5バックで、5-4で守れば守備は強固になること。

そして山形の時間を耐え切ったもう一つの、
そして最大の要因は 林 のファインセーブ。

際どいヘディングをしっかりと弾き、
しかも目の前に弾くのではなく
CKに流れるように上手く調整したセービング

さらに至近距離からのシュートへの反応速度と
そのこぼれ球への反応。

数々のファインセーブで失点を許さない。


そして鳥栖は右サイドの深くで鎌田がテクニックを魅せてキープする。
そこから、前まで上がってきていた藤田にパス。

その藤田は左をオーバーラップするキムミヌを「ちら見」して
前方の水沼に優しいスルーパス。

これをそのまま縦に持ち込んで左足で決めて 2-1!

ここで右足が利き足だからといって切り返したり
持ち替えたりしなかったのが流石。
まずは第一選択肢は縦に行くのが素晴らしい判断だった。

その後、疲れも考慮し、水沼に代えて白を投入。
この采配もずばり的中する。

さらに鳥栖は山形の攻めを耐えて、
豊田が 
『豊田らしく』しっかりと身体を張りつつ
『らしく無い』おしゃれなヒールで前線につなげる。

そこからペクが左サイドを独走!!

さらにその外からキムミヌが苦しい時間ながらも
必死のオーバーラップを見せて囮となる。

そのミヌに目をやった瞬間にペクは中に切り込んで
見事に流し込んで3-1!!!

カウンターのお手本のような素晴らしいゴールで試合を決める。
これまで白に期待していたことをしっかりと体現してくれた。

最後は鎌田に代えてDF小林を投入し
谷口はボランチに。

最後までしっかりと守りきり 3-1 で見事な勝利を飾った。


■まとめ
先制するまでは良かったが、その後簡単に追いつかれてしまった。
しかし、そこでズルズル行かなかったのは
交代:豊田の影響も大きかったと感じる。

彼のインパクトはやはり偉大で
その時間で勝ち越せたのは大きい。

また4バックと3バックの使いわけもスムーズでよかった。
ここにきて戦術の幅が広がったのは大きい。
その立役者は1人3役の谷口。
彼の器用さが役に立っている。

また若手の躍動も見逃せない。
その筆頭である鎌田は憎いまでの冷静さで先制点を奪取。

また豊田の復帰、林の復帰と素晴らしいプレー。
さらに交代での白の躍動と、良いことずくめの試合となった。




■選手総評
林 6.5 苦しい時間を耐え抜く MVP
キック精度に疑問を感じるシーンもあったが、本業のセービングで貢献。
相手のビッグチャンスをファインセーブで凌ぎきった。
間違いなく勝利の一番の貢献者となった。

ミンヒョク 6.0 目立たず安定
激しく行くシーンは少なかったが、地味に左足でのフィードも質が高く。
守備でも大きな破綻は見せず

菊地 6.5 流麗なる守備
カバーリングとポジショニングは流石の一言。
ロングボールをワンフェイクからの胸トラップで華麗にキープしたシーン等
完全に相手を上回っていた。

谷口 6.5 1人3役 芸達者
ワントップでの前半のファイトと、CBに下がってのプレー。
ややファールが多いものの、激しく行くプレーと闘争心を見せ、
戦術の幅を体現する器用さを見せて勝利に貢献した。

吉田 6.0 小柄な闘犬
もはや対人の強さは特筆事項。
攻めのシーンでの質はやや見劣りするも、運動量と守備力で
もはや欠かせない戦力となった。

ミヌ 6.0 折れない鳥栖の翼
前半からやや足に付かないシーンも目立ったが、攻守に穴は空けず。
ペクのゴールシーンでは苦しい時間ながら走りきった。
自身の活躍が難しい展開ながら確実なキックと運動量で貢献した。

高橋 6.5 この日も力強い心臓
中盤での攻防の勝利の要因の一人となった。
最後まで運動量は落ちず球際での激しさを見せ続けた。
      
藤田 6.5 頭脳であり中心だった
この日も鳥栖の中心としてプレー。
難しい時間ではしっかりとファイトし、
攻めの時間では柔らかいスルーパスでアシストを記録。

鎌田 6.5 攻撃性能の高さを見せ付ける
やはり攻撃に専念させるとしっかりと結果を出してくる。
異常なまでの攻撃性能の高さを見せ付けた。
シュートのときの落ち着きと冷静なフェイントは特筆もの。 
そのほかのシーンでも取られないドリブルのキープに
常に狙っているスルーパスと、攻撃の中心となった。
サイドに下りてからはやや守備の不安を感じさせたが
やるべきところはしっかりと詰めていた。

水沼 6.5 右サイドを躍動
この日も運動量豊富に駆け回り、決勝点を奪う。
シュート、クロスにプレスバックと攻守に躍動。
プレーの質は常に高かった。

早坂 6.0 誰よりも戦った
サイドを中心に前に後ろに幅広くプレーした。
苦しい中でのキープ、球際の強さを見せて
先制ゴールをアシスト。


豊田 6.5 千両役者
2点目は競り合いから繋ぎ
3点目のシーンではしっかりと潰れ役を演じる。
自身の大きな活躍はなかったものの、前線での粘り、
そして身体を張ったプレーは本当に素晴らしかった。

白 6.5 カウンター一閃
これまで求められていた最後の質を高めて
見事に試合を決める3点目を奪取!
スーパーサブとして使えることを証明した。

小林 6.0 安定
最後を締める役割として出場。
難しい時間を難なく締め切った。



森下 7.5 
中断期間で準備していたことをしっかりと表現させた。

4バックと3バックの使い分け
そして、豊田の復活にも焦らずサブとして準備させ
そして交代のインパクトで勝ち越し点につなげた。

攻められた時間帯で3バックにして耐え抜き
交代した白もゴールと、言うことなし。


本当に素晴らしい勝利だったと同時に
豊田、林らの復帰に勢いを付ける重要な勝利となった。





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