ーーー前書きーーー

 

時は中国の唐。

主人公は、冴えない中年の役人。

 

皇帝が「楊貴妃の誕生日に何かしてあげたい」

そんなささいな願いが絶望と混乱を生んだ物語。

 

主人公は、役人になっているだけあって相当に優秀な人物なのだが、

得意が算術で性格が真面目という、賄賂が横行する社会では邪魔者要素120点。

 

そんな主人公の李が策略に嵌められ、

「間に合うはずのない遠方のライチを新鮮なまま届ける」

というインポッシブルな任務を受けることから物語は始まる。

 

ーーー見終えての感想ーーー

 

この映画の秀逸なところは3層構造になっている事だと終えてから気づいた。

若干のネタバレも含むので、もし見ようと思っている人はここで止めても。

ただ、ネタバレがあっても、十分に面白い映画だとも伝えておく。

 

ーーー第1層

いわゆるエンターテイメントとしての映画として、

この困難なミッションに得意の計算や、Try&Errorを繰り返す

まるで現代でも通用するような主人公の聡明さ、

さらにその人柄の良さ、誰も隔てなく接する態度に、

ライチ園の長や、途中で押し付けられた奴隷、商人さえも味方になっていく。

 

この少年漫画のような痛快さが1つ目の層である。

困難に、友情、努力!で立ち向かう様は痛快ではある。

 

それでも助けてくれた人たちの想いを踏み躙るように

「国策」として本来の10倍以上のライチを刈り取っていったり、

国が味方する事で、味方になったはずの人たちには誠実さがなくなっていく。

 

この葛藤もまたこの話の見どころの1つである。


ーーー第2層

ただその裏では、役人たちの思惑が暗躍する。

冴えない、中堅の主人公にライチ運びを依頼したのは

そもそも、「断った人がいたから」なのだ。

 

時の皇帝の願い。

 

これは断るわけにはいかない。

でも現実的にできるわけがないのだ。

 

冷蔵技術もない時代に5000里を、新鮮なまま運ぶことはほぼ不可能。

つまりは下っ端に押し付けて、「できなかったで罰します」という生贄であった。

 

その彼が成し遂げてしまったら、断った人たちはタダでは済まない。

さらに、彼が「できる」といったことから、宰相までもが味方についた。

No2を狙う他の重役たちは面白くない。

 

断った者、他の重役たち。

本来「皇帝の願い」を叶えるために助けてくれるはずの役人たちが

こぞって敵になる。

非常に気分の悪い展開が続く。

 

ただこれも少年漫画的に言えば、唯一味方してくれた宰相が良いやつで、

嫌がらせをしてくる他のキャラに眉を顰めながら、

「ミッションを成し遂げる」ことでカタルシスが起きる。

 

これが2層目の構造だ。

 

 

ーーー第3層

さあここからが、この映画の秀逸なところだ。

ここまではよくある構成だし、これだけでも十分に面白い話なのだ。

 

だが、この味方してくれた宰相は何をしたのか?

主人公に十分な権限をあたえ、運ぶための馬や人など、無限とも思える投資をした。

 

その原資は?

 

そう。。。

全ては国民への「税金」をあげることで賄っていたのだ。

 

つまり彼は何も傷まない。

 

主人公ががんばれば頑張るほど、ミッション達成に近づくほどに、

国民は搾取され、夜逃げや心中など民は傷ついていく。

 

この構造に気付いた時、主人公は何を思ったか?

ただ世界の流れに従い、役人として役目を果たせば、

おそらくは十分な富を得ただろう。

 

しかし彼にはそれができなかった。

一番の味方として見えた宰相に対して、

彼は啖呵を切る。

 

そしてその主人公の妻もまた、肝が座った人物であった。

この辺りのセリフ回しや表情、そして社会の無情さの見せ方は

本当に素晴らしいものがあった。

 

ーーー最後に

道中、ただのライチの新鮮さとの勝負だったはずの旅は

まさに命懸けの旅になっていた。

暗躍する他の役人たちからの刺客。

民が夜逃げし、運搬するルートが計画通りに行かない。

それらを乗り越えて、本当に単身、、、まさに我が身1つとライチ1瓶。

 

それがようやく長安に辿り着いた。

 

そして、皇帝の願いとは、、、、

絶世の美女と称された楊貴妃の誕生日に

たまたま耳にした地方のライチを新鮮なまま食べさせたい。

それだけの些細な思いつきに過ぎない願いだったのだ。

 

終盤、楊貴妃の前にずらりと並んだ豪華な食事の数々。

おそらくは、それらの1つ1つにこのライチのような物語があったのだろう。

その裏でどれだけの国民が泣き、苦しんでいったのか。

 

そして楊貴妃がライチを手にしたその時・・・

 

誕生日を祝賀する舞が始まり、彼女はそっと手をとめた。

 

 

そう。

 

 

そのライチは食べられる事さえなかったのだ。

 

 

主人公は宰相に楯突いたことで死罪直前となるが、

今度は嫌がらせをしてきた役人に助けられる。

 

彼らにしたら、宰相の1人勝ちにさせるわけにはいかず、

宰相の税金搾取などの不正を告発しない代わりに、

この功績を分け合う、、、と。

 

「2人で皇帝のためにがんばりましたもんね」

 

という皮肉の効いたセリフ。

そして主人公は、ライチ園のあった地方に左遷となる。

 

 

 

ーーーラスト(ネタバレ100%)

流されたライチ園のある土地で暮らす主人公一家。

決して贅沢はできないが、幸せだったのではないか。

 

そうして一年後、、、長安が「落ちた」との知らせが届く。

 

主人公が命をかけ、全てをかけて届けたライチは食べられもせず、

そこまで尽くした国は一瞬にして朽ち果てた。

 

贅の限りを尽くしたと言われる長安。

そこでは、出世争いが全てであり、

皇帝の願いをどれだけ叶えられるかが全てであった。

 

そこに民を見る者はいなかった。

 

主人公は左遷されたからこそ生き延びた、、とも言えるが、

それでも祖国の陥落に涙する。

 

その涙は、どんな感情だっただろうか。

 

 

ーーーーーー

 

これだけの構造が、実にシンプルに分かりやすく、

こねくり回すこともなく、すっと入ってくるストーリーとテンポの良い展開。

 

ひさしぶりにこうやって感想を書きたくなるような映画だった。

 

 

サガン鳥栖vsモンテディオ山形 

0−2
 

鳥栖はセットプレー崩れからセルフジャッジで失点。
その後前のめりになったところで、カウンターでCBが前に行って潰れて、あっさりとGKと1vs1になって失点。

この2点自体は大きく崩されたわけでも配置がどう、とかでもない。
 

問題は攻撃、というかゲームの進め方なのかもしれない。

繋ごうか、早めに高橋を使おうが、なんでもいいのだが、失点したらやり方を変えるくらいなら、最初の設定が間違っているのか?
鳥栖のやり方は”練習でやった形をいかに正確に再現するか”に全集中しているように見える。
 

目の前で起きていることに集中できていない。

鳥栖がやっているサッカーは素晴らしい。
それは改めて声を大にしていいたい。
 

ただ、その素晴らしさは、
・勇気が持てていて
・相手が全力で前から追ってはこず
・余裕をもって周りを見ることが出来ていれば

という注釈つきだ。
この注釈つきであればJ1上位にも通用する 型 を作ったのは素晴らしい成果だ。

この”準備してきたこと”をやることが勝ちにつながるというのは分かる。
しかし、目の前で違う事象が起きているなら、違うことをしなければならない。
どれだけ噛み合わなくても、練習してきたことをプレーし続ける。

少し選手の自主性というのが見えないチームになってしまっている。
一生懸命模擬試験でやった形通りの解き方をやろうとしている。
それは通用しない問題が出ているのに、だ。

まるで授業と違う解き方で正解に辿り着いたら、❌になる、

形ばかりのお勉強のように。
怒られないためにプレーしているのではないか?

サッカーは自身を表現する場であり、自分の力を見せつける場だ。
その勇気を持って戦えるように、全員が成長してほしい。


その一方で素晴らしいと信じるサッカーではゴールは生まれていない。
後半の2トップ、2シャドーのファイヤーフォーメーションは、本来狙っていた形ではないだろう。

これがもっともやりたい形ならスタートからするはずだ。
ビハインド時、最後に1点取りたい時、などの条件で発動するもの。

この時にやっとパワーが出せる。
それでも取れなかったのは課題だが、それでもシュートまで行けたし、チャンスの質も高かった。

結局今の鳥栖は、悩みながらプレーしたり、苦しんだり、失点したら、準備した”素晴らしいサッカー”は出来なくなるのだ。

もっとシンプルなサッカーで、悩んだ中でもやることがハッキリした状態で、プレーができるように戦術や、ゲームの進め方を整理すべきなのかもしれない。

シンプルにしたらもう少し選手の質そのもので勝ち点を拾える試合は増える気もする。
しかしそれではおそらく優勝は狙えない。
 

だが今の実力で優勝、自動昇格はもう厳しいところまで来ている。
勝ち点を拾いながら、運が良ければPOに滑り込む。

そういう日々を過ごすことになる。
 

それでも全力でやれるか?

 

希望溢れるチャレンジであれば誰もが気持ちよくやれるだろう。
絶望の中で最低限を支えるような苦しい苦しい戦い。
それをどれだけ前向きに、心を強くもってシーズンを戦っていけるか?
それが出来なければPO圏内すらも夢と消えるだろう。

 

僕らは選手が心折れぬように支える。
それこそ、サポートをする存在、でありたいと願う。
 

たとえその先に希望がなくても、誰かを支える力の一部になれることは、

それはそれで人生の愉しみの1つである、、、だろう。
 

たぶん、きっと、、、おそらく。

 

サッカーを見ていると、
「ミスを減らそう」という言葉をよく聞く。


もちろん、それは大事だ。

パスミスを減らす。
ボールを失わない。
失点を減らす。




当たり前の話だ。


でも、最近の鳥栖を見ていて、
少し気になることがある。


「ミスをしないこと」が目的になっていないか。


ということだ。


ポゼッションをする。

ボールを失わないようにする。

でも、失う。


当然だ。


相手もボールを奪いに来る。

90分間、一度もボールを失わないチームなんてない。

だったら、


「奪われないための設計」だけじゃなく、
「奪われることを前提にした設計」になっているか。


ここが大事なんじゃないかと思う。


例えば、前に進めない。

でも、後ろには相手がいる。


だから戻す。


また戻す。


また戻す。


そして、奪われたくないから、さらに安全なところへ。


もちろん、それ自体が悪いわけじゃない。

でも、それを繰り返しているうちに、


「ボールを保持していること」


そのものが目的になってしまう。

そして、少しでも危険を感じると戻す。


これでは、
奪われないためのポゼッションになってしまう。


でもサッカーは、

奪われる。


ミスする。


ズレる。


競り負ける。


シュートを外す。


そういうことが起きるスポーツだ。

だったら、


「絶対に奪われないようにする」


ではなく、


「奪われても大丈夫な場所で奪われる」


という考え方があってもいい。


これは守備も同じだと思う。


失点した。

じゃあ、次は失点しないようにしよう。


もちろんそうなる。


でも、


「失点しないために全部を安全にする」


となったら、今度は攻撃が死んでしまう。

前に出れば裏を取られる。


人数をかければカウンターを受ける。

シュートを打てば外れる。

パスを通そうとすれば引っかかる。


それは失敗ではなく、サッカーそのものなんだと思う。


だから大事なのは、

ミスをゼロにすることじゃない。


ミスが起きたときに、どうするのか。


そこまで含めてチームを作ることなんじゃないか。


例えば、

右で攻める。

人数をかける。

そこでボールを失う。

じゃあ誰がカバーする?

誰が最初に奪い返しに行く?

誰が戻る?


相手が一気に前へ出てきたら、どこで止める?


そこまで決まっていれば、


「奪われること」は怖くなくなる。


むしろ、

奪われることまで含めて攻撃になる。


鳥栖には、もっとそこに勇気があってもいいと思う。


失敗しないようにするのではなく、

失敗しても次がある。

そういう設計。


もちろん、何でもかんでもチャレンジすればいいわけじゃない。


無謀に前へ蹴れ、という話でもない。


「ここで失えば危ない」

「ここなら失っても取り返せる」


その判断を、チームとして共有する。

そこにこそ、
ポゼッションの意味があるんじゃないかと思う。


そして、それは選手を楽にすると思う。


「絶対に奪われるな」

「絶対にミスするな」


と言われたら、そりゃ怖い。


一歩踏み込めなくなる。

一つ前のパスを選べなくなる。

シュートも打てなくなる。


でも、

「失ってもいい。
その代わり、失った後にどうするかは全員でやろう」


なら、もう一歩前へ出られる。


この前のいわき戦を見ていても、

鳥栖はもっとシュートを打ってもいいと思った。

もちろん雑なシュートはカウンターにつながる。

それは分かっている。


でも、

「打たないことによって失うもの」

もある。


完璧な形になるまで待っていたら、
完璧な形なんてそう何度も来ない。

だから、少し雑でも打つ。


外れる。

跳ね返される。

それを拾う。

また攻める。


その繰り返しの中から、ゴールは生まれる。


結局、


ミスをなくすことでは、チームは強くならない。


ミスはある。

失敗もある。

失点もある。

奪われることもある。


その前提で、

「じゃあ、どうする?」

をチームとして持っているか。


そこなんじゃないかと思う。


負けることは仕方ない。

それはスポーツだから。


少しずつでも、

「失敗しても前へ進めるチーム」

になっていくこと。


鳥栖が変わるために必要なのは、
もしかすると「ミスを減らすこと」ではなく、


ミスが起きても前へ進める勇気と設計


なのかもしれない。


その失敗が失点して闇雲になって
大学生の単騎突破が通用するかどうかだけ、、
というチャレンジのみなのは
チームとして少し寂しい気がしてしまう。

サガン鳥栖 対 いわきFC 1-3
2026.9.19


どんな試合だったのか?


この試合は3つのフェーズがあった。


1 前半の我慢大会
2 いわきの時間
3 勇気のない時間


1の前半はとにかく
いわきが奪いたい位置では奪わせない
という我慢をしていた。

本当は鳥栖は繋ぎたいエリア。
だけどそこはいわきは狙っているから
さっさと蹴ることで回避。

鳥栖もチャンスにはならないけど
ピンチも少ない。


でも豊田を起点に作り直しながら
阿部を使って、阿部がインナーラップや
オーバーラップを試しながら
塩浜をどうにか自由にしようとしていた。


この辺の攻防はピッチサイドで見てるからこそ、より激しさが分かって楽しかった。


2のいわきペースは
失点後から。


失点そのものはスローインからであり、1個1個の反応の遅さと軽さ。


タファは奪いに行く、戻るスピードは申し分ないが、構えて守る時にCBじゃないな、感が少しある。

その後は酷い状況になってしまった。
単純なぶつかり合いに負けるので

いわきは、奪えばドンドン人を前に走らせる。
ドンドン迷いなく打つシュートは勢いもある。

2点目は櫻井も塩浜も競り合いに負けて
しっかりと押し出されてシュートを打たれた。

3点目は泉森のパワー負けで回転したボールはゴールに。

対する鳥栖のほうはゴールはまさに理想通り。
そう。

理想通り過ぎるのだ。
吉田の縦突破に逆サイの塩浜が飛び込む。
塩浜の嬉しい今期初ゴール。

だが、逆に言うとら完璧にいった時にしかゴールが生まれていないのだ。



そこまで行けるのは凄いのだが、それはあまりにも回数が少ない。

がむしゃらなシュートは見てて気持ちいい反面、即相手ボールになりカウンターを食らう。
それは分かっているのだが、あまりにも
雑シュートが少なすぎる。


それでも繋ぐというのなら、
勇気をもってほしい。


最後の時間、鳥栖はやはりパワープレーなのか繋ぎたいのか不明だった。


繋ぎたそうだが、奪われたくないので戻す。
これはビルドアップでもなんでもない。

問題を先送りにしてるだけだ。


収穫の日は来ない。


鳥栖の一番の問題は勇気、!なのかもしれない。

負けるのは仕方ない。
それはスポーツだから。

僕らはチームが成長して言っているという実感が欲しいのだ。
もっとも手っ取り早いのは勝利、だが
それなくとも、昨日より今日、今日より明日。

選手が、チームが成長していってほしい。

僕らは強いチームを応援したいわけではない。

応援するチームが少しでも強くなっていってほしいのだ。




2026.9.12
FC今治 vs サガン鳥栖 1−0

 

今治戦は、結果としては非常に悔しい敗戦となりました。

決定機を作りながら、それをゴールに結びつけられなかったこと。

終盤の選手交代やベンチワークを含め、どうやって試合を勝ち切るのかという部分には、

まだ難しさが残った試合だったと思います。

 

ただ、今回の試合を単純に「攻撃が悪かった」「交代策が悪かった」

と片付けるのも少し違うように感じます。

 

むしろポイントになったのは、

鳥栖が0-0の状態から、あえてリスクを取って勝ちに行ったことです。

 

前半は、飲水タイムを境にした相手の変化もありましたが、

鳥栖のプレッシングがうまく機能し、守備から押し返す時間も作れていました。

 

相手に自由にボールを持たせるのではなく、前からプレッシャーをかけることで、

試合の主導権を取り戻していた部分は評価できると思います。

 

一方で、後半から終盤にかけては「この0-0をどう終わらせるのか」

という難しい判断を迫られました。

 

そこで鳥栖は、阿部をインサイドの高い位置まで上げるなど、

守備の安定だけを優先するのではなく、攻撃に人数をかける選択をしています。

 

さらに、まだ0-0という状況で、城定、芳野といった攻撃面に特徴のある選手を投入。
これはある意味、かなり明確な「勝ちに行く」というメッセージだったと思います。
もちろん、そのぶん守備側にはリスクが生まれます。


さらに、芳野が最初右サイドでしたが、中原と使いたいスペースが被り

(2人ともカットインしたいし、自分が突破できるタイプ)

西澤のほうが人を使うのがうまい。

ただ城定が入る前は疲れ切った塩浜を走らせるパスばかりになり、

芳野投入をうまく使えてなかった。

 

攻撃の人数を増やせば、ボールを失った瞬間のスペースも大きくなる。

阿部をインサイドに上げることも、攻撃に厚みを出す一方で、

カウンターを受けたときのリスクを高める判断です。

 

そして結果として、その賭けに出たところを相手に守られ、カウンターから失点して敗れた。

そう考えると、今回の敗戦は「勝ちに行かなかった結果」ではありません。

 

むしろ、勝ちに行ったからこそ生まれたリスクが、

最後に裏目に出た試合だったのではないでしょうか。

 

もちろん、それでも「本当にあの場面でそこまでリスクを取る必要があったのか」

という議論は残ります。

 

特に0-0の状態では、勝点1を確保するという考え方もあります。

その中で、どこまで攻撃に振るのか。

どの選手を入れて、どのポジションを変えて、どこまで守備のリスクを許容するのか。

ここは今後も鳥栖が考えていかなければならない部分でしょう。

 

守備についても、阿部・今津・長澤の3バックを中心に、

相手のロングボールへの対応には難しさがありました。

前から奪いに行く以上、その背後を狙われるリスクはどうしてもあります。


小川選手が不在で左足でのパスという選択がなかったことも難しかった。

そして攻撃では、ゴール前までボールを運んだあとに、

もう一つ相手の守備を外す工夫が欲しかった。

 

シュート自体は打てても、相手からすると予測しやすい、

いわば「素直すぎるシュート」になってしまう場面もありました。

崩しのパターンを増やすこと、シュートを打つ瞬間の選択肢を増やすこと。

ここが改善されれば、同じようにチャンスを作った試合でも、結果は変わってくるはずです。

 

今回の今治戦は、決して何もできずに負けた試合ではありません。

 

勝ちに行くためにリスクを取った。
そのリスクが最後にカウンターという形で返ってきた。

 

だからこそ悔しい。

ただ、その「勝ちに行く姿勢」そのものをどう評価するのか。

そして、次に同じような0-0の試合を迎えたとき、どこまでリスクを取るのか。

今回の敗戦は、鳥栖にとって「ゲームの終わらせ方」を考えるうえで、

かなり大きな材料になった試合だったと思います。

 

26/27シーズン J2第5節
サガン鳥栖vsテゲバジャーロ宮崎 2−0(玄理吾・吉田)

数字以上の完勝。飲水のたびに変わる布陣

・スタメンはこんな布陣

 

鳥栖はいつも通りボランチ2枚が降りてビルドアップ。
宮崎の3+1枚のプレスを剥がそうとするもうまくいかない。
そこで鳥栖は厳しい時はさっさと髙橋に蹴ることで序盤を凌ぐ。

 

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西澤、玄理吾が髙橋のこぼれを拾えたら大チャンス!と言う感じ。
2回ほどチャンスは作れたが最初の1Qは宮崎が優勢だった。

飲水後は明らかに豊田が変なとこに降りてきて、櫻井を前に残して段差をつけるビルドアップに変化。
SBっぽく振る舞ってみたり、縦横無尽にピッチの「嫌なとこ」に居続ける豊田。本当によく周りが見えている。
結果的に前半は無得点ではあったが、無理せず蹴ることも増やしたため、体力は温存できた(髙橋と両サイド以外)ことが大きく効いてくる。

 

さて、後半はさらにビルドアップのやり方を変える鳥栖。
前半も少しはあったのだが、明確に長澤が運ぶドリブルでビルドアップの起点を作るようになる。
CBが「前が空いてるなら前進」というやつだ。

 

この形により、相手のFW陣のプレスを無効にして、ボランチを引き寄せるタファ。そこから空いた櫻井、玄理吾らを有効に使えるようになる。
先制はその玄理吾が吉田へのサイドチェンジから横パスを受けて個人で決め切った圧巻の左足ミドル。
徳島戦を思い出す。
なお前半は温存しながら、といったのはこの勝負の局面で前半は吉田も塩浜もまったく仕掛けなったから。
後半は仕掛けてきた。宮崎としては慣れてきたころにやり方が変わるという実に嫌な相手だっただろう。
さらに言えば、先制された宮崎は後ろは引きつつ前は2トップにしてきた。
2枚なので怖さはあったが、守備陣が上がれないのは連敗しているからか。

 

 

鳥栖の交代も全てがハマった。
・得点の機会も増えるが、ロストも多い玄理吾→堅実な中原へ
・イエローのあった小川→今津で2トップに2枚跳ね返し要員
・疲れの見えるボランチに松本。動きまくる松本に後ろで控える豊田が最高
(櫻井残しだと、豊田の位置に櫻井1枚になるので失点の危機も増える)
・FWに収まる(はずの)鈴木
・サイドに神山を入れて蓋して終わり

 

2点目の吉田のゴールはCK崩れからだが、しっかりと押し切った鳥栖。
締めも含めて完璧な試合運びを見せた。

 

個人的MVPは豊田。
がんばった!のは塩浜。

そろそろ彼らにもゴールというご褒美があってほしい。

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2026.9.2
ミッドウィークに行われた連戦となった試合


試合雑感
相手の40番吉村や、99番森本ヒマンらのパワーとスピードに翻弄され、全体が大きく動く奈良を崩しきれず、逆にピンチはかなり多かった。
GK含めて局面の質で上回りギリギリ回避しつつ、中原の個の技術から2点を生み出した。
そんな試合だった。


スタメン

ホミン
田中 中原
安藤 山内 松本 楢原
森下 今津 神山
松原


振り返り

鳥栖は後ろから繋ぐスタイル。
そこに奈良が襲いかかる。
鳥栖としては来て欲しいわけだから願ったりの展開で、そこから裏を狙うもホミンのポストが機能したのは数回。
その時はいい感じではあったが。

逆にパワー、スピードで上回られると、
パスのわずかなズレや繋ぎの甘さを奪われピンチに。
山内が自陣から相手の間を通すパスから田中が潰されて自陣深い位置でロスト。
そこから先制を許した。


その後失点は無かったものの、
DFの紙一重のブロックや
フリーでクロスにヘッドを許すなど
シュート13本を撃たれる。
松原の好セーブを堪能する試合だった。


鳥栖の得点は中盤で唯一潰されなかった
中原から。


彼は重心の低いドリブルも含めて違いを見せつつ、奪われない強さも見せた。
現状1番レギュラーを脅かす要素は彼か。

その中原が中央で粘りCBを釣り出したところでホミンにど真ん中スルーパス。
GKとの1-1を制して同点。


さらに交代をギリギリ見送ったCKから城定がヘッドで決めて2-1。

なお、何度観ても城定の0トップの意図はまだ分かりかねている。
前プレなのか?


最後は鈴木大馳も登場し独特の柔らかさや懐の深さで、相手を押し込めることに成功。

無事に逃げ切った。
こういう試合は勝つことも大事で
課題はあれど、勝ちきった経験は大きい。


次はリーグ戦の宮崎戦。
本気で優勝狙うなら勝ちが必要だ。

サガン鳥栖2-2横浜FC

2026.8.29


勝てなかったが、負けなかった試合


最初に感想を3つ。


・めっちゃ悔しい‼️

・アウェイで降格チーム相手にドローは悪くない

・攻めにいくプランは〇 守るプランは?



まず率直に悔しい。

先制ゴールまでは完璧だったし、

その後相手陣地で、いくらでも奪い取れていた。

奪って焦って攻める必要もないのだが、

「2点目が取れないと勝てない」という呪縛により、鳥栖はリードしているのに、まるで、負けてるチームのようにガムシャラに慌てて攻めた。


結論から言うと、ずっと、ガムシャラだったからこそ、失点したし、あの2点目があった。

メリデメリがそのまま出た、という事。



さて、そん試合の中身はさておき(置けない)

アウェイで、J1から降格したチーム相手

というのは通常であれば、昇格筆頭なチームなわけで、勝ち点を拾えた事は悪くない。


しかも、後半あれだけ攻められた中でも耐えて

そこから2点目を奪うまで行けた。

ここは大きな進歩だと思う。


通常なら、というのは、POを狙っていたり

あわよくば、というのが目標の場合だ。

優勝が目標ならば、とたんに話は変わってくる。



最後にプランの話。

やはり信頼できるいつものメンバーは安定感があった。

中原は消える時間多かったし、

芳野はあの守備の雑さはやはり先発は相当に難しいと思わされる。

櫻井の繋ぎは必要だし、小川の強さと前に運べる迫力、前で奪い切る所は流石だった。


唯一レギュラーと遜色なさそうなのは合戸だが、そこはさすがに高橋。


てことで納得の先発だし

そこで1点取れたのもプラン通り。

悲しいのは2点目を取れた試合で勝ちきれないところか。

守りきるプランにはまだまだ不完全だったか。

ホミンが思った以上に受けれない。

この辺は横浜が上手かった。


しかしボランチ縦関係にして食いついた相手を剥がすって鳥栖がやりたいことを小倉にやられた。

受けた島村と高江も良かった。

横浜がやりたいことを通した試合だったので、鳥栖としては付け入る隙はあったが、きちんと押し切られた。

鳥栖の方がまだまだ細部が甘かった、ということだ。



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2026.8.26

サガン鳥栖 カターレ富山 4-0

神山 高橋2 吉田


サガン鳥栖 天皇杯感想


まずは鳥栖が強度と割り切りでしっかりと上回った。

今津も神山も松原も長いボールを遠慮なく蹴る


恐らく高橋だと裏抜け上手いし動き直しもすごいから

ハマれば強いんだけど、たぶん遠くて蹴りにくい。


ホミンは運動量もなく、割と早々に疲れも見えた。

逆にそれが見える位置にいて蹴りやすかったのかもしれない。


現地ゴール裏で見ててホミンの顔が良く見えるなぁと思ったものだ。


しかも蹴ったボールは五分五分以上には何とかしてくれるので相手は疲れる。


開始早々のポストに当たるピンチも松原が、触っていた。

後半のピンチもスーパーセーブ。

さらにFWへ直差しの楔も蹴れて言うことなし。


俺がレギュラーだ!というプレーを見せた。


守備が安定すればWBは仕掛け放題となる。

高橋吉田塩浜が出てからはサイドは鳥栖のゾーンに。


仕掛けるとなると安藤は分が悪いので、CBへ下がる。

森下はここで役御免だが、彼もまた素晴らしいパフォーマンスを見せた。


前半は押したものの最後に神山が良く決めてくれたので1-0。

ここでホミンが疲れさせたのが効いて、後半はずっと鳥栖のターン。


GKのロングから吉田が抜け出して高橋が詰めて2点目。

さらに吉田が抜け出してそのまま決めて3点目。


最後まで仕掛けて仕掛けて攻めきると

塩浜が潰れて高橋がこの日2点目。


あはやハットトリックのシーンもあり、

鳥栖が攻めかった。


豊田や玄らも躍動し、本当にレギュラー争いが熾烈になってきた。

サガン鳥栖vs栃木シティ 1-3
2026.8.26

勝てる試合を自ら手放した鳥栖

鳥栖はDFラインを高くした徳島戦をさらに押し上げた戦術で挑んだ。
吉田、塩浜は高い位置を取り前線でのボール奪取も何度も成功した。

そのうえでDFは、どうしても相手と1ON1になる場面が多くなるが、
そこは「質」で担保して対応。
実際”簡単に”ボールを奪えるシーンは多く、栃木はミスも多く、鳥栖としてはやりやすい状況が揃っていた。
だkらこそなのか、せっかく奪って攻撃しても単純なミスや、最後のところで集中してないと思われるようなミスが多発。

”またすぐ奪い返せる”

そんな緩さを感じてしまう試合だった。

2点目を取れないことだけを勝負のフォーカスにするのは危険だ。
追いつかれそうなとき、いったんクローズな展開にするゲーム運びができない鳥栖は

”がむしゃらに”2点目を目指すしかなかった。

体力と思考力は消費され、ミスする位置がだんだん低くなる。
この試合は後半急に崩れたわけじゃない。

局所で1対1になる構図だった。
ずっとミスは起きていた。
そのミスする位置がだんだんと後ろになった。

 

だから自陣ゴール前でなんどもミスをしては失点を繰り返した。
なんなら3点目を取られたあとのほうがより問題は深い。

 

攻撃では間を使いたい櫻井、田中。
右からクロスやカットインを狙いたい中原。
サイドからドリブルすべく両方の大外に張る芳野と塩浜。


せっかく背の高いパクを入れても、周囲で衛星的に拾う選手はおらず、中央に人を集めないのでパワープレーもできない。
(終盤櫻井が放り込まなかったのは、ロングを蹴っても意味ない配置だったから)

 

だったらもっと芳野を使うべくそこへのルートをチームとして作る、など統一した意思のもとの攻撃が見たかった。

 

よく頑張ったと思う。

がむしゃらだったと思う。

 

ただ僕らが見たいのはそれが”11人の意思”として
砂ではなく集まった岩の硬さで戦うチームを見たいんだ。

 

今日はバラバラに見えてしまった。
 

それが残念ではあるが、それでもうまくいっている時は良いサッカーであったのは間違いない。

信じた道を進みつつ、対策されたとき、ミスが続いた時どうするのか?
3節にして早くも応用が求められているJ2。

最後に栃木は先に失点したアウェーの中で、最後までチャレンジし続けたのは素晴らしい姿勢だった。

そこは素直に拍手したい。