2015年7月15日
Jリーグ第19節(2nd 2節)


鳥栖 VS 川崎 1-1(豊田)


前:6勝7敗5分 10位
後:6勝7敗6分 11位(2nd/4位)


~インパクト(衝撃)から安定へ 


■前提
2015年第19節

浮き沈みの激しい1stステージを終え、
まずは開幕戦、勝利を飾った鳥栖。

この勝利を活かすためにも大事な大事な川崎戦。
相手の川崎はレナトの衝撃移籍で戦力ダウン中。

■スタメン
GK:赤星
DF:吉田 菊池 谷口 キムミヌ
MF:藤田 高橋
MF:水沼 鎌田 ペク
FW:豊田

■前半
先発は2nd開幕戦と同じ布陣。
GKは負傷の影響か、林から赤星に。

川崎は相変わらずパスを繋ぐスタイル。
大島が復帰し、より一層繋ぐ繋ぐ。

鳥栖は深追いせず、少し引いて身構える。
その分すき放題回されてしまう。

少し自由にさせすぎた。

大久保や中村のポジショニングが良く、
間、間で受けられて難しい時間を過ごす。

ファールも多くなり、セットプレーの回数も増えるが、
川崎は近くの選手にちょこちょこ繋ぐのが基本。
だらだらした展開、、と思った矢先、
敵陣で与えたファールから、一気に船山にロングボールを通される。

そこで戻っていたのは鎌田。
船山との1対1の守備。

予想はしていたが、やはり、「守るための守備」は苦手。
さっと抜かれるとGKとDFの間のクロスに中村が飛び込んで先制を許す。
このシーン以外でも、ミヌと赤星の間で連携が取れてなかったり
声掛けが上手くいってないシーンも目立った。

これは本当に我慢の前半だな、、、という展開。
それでも鎌田がいい形で前を向けると期待感があった。
最初のチャンスでも前への仕掛けから左にスライドしながら
左足で狙ったシュートもあった。

思ったよりドリブルで前に仕掛けられる選手だと感じた。
前はもっとパサーという感じが強かったが。


鳥栖は藤田の縦パスから水沼がダイレクトでさらに前方の鎌田へ。
ここでも鎌田は「時間」を支配していた。

少し貯めるドリブルで吉田の上がりを待つと、
DFラインの裏へスルーパス。
これを受けたフリーの吉田を船山が後ろから引っ張ってPK。

PKは豊田が見事に決めて難しい展開ながら追いついた。

船山が1アシスト1PKなら
鎌田も得点、失点両方の原因となった。

よくも悪くも何か波を起こす選手。

さらに鎌田は圧巻のプレーを見せる。
見事なトラップとコントロールからシュート。
GKに弾かれながらも上手くコントロールしてGKをかわしてゴール!
残念ながらその前のプレーでオフサイドではあったが、
見事なテクニックを魅せた。


■後半
少し微妙な前半を過ごした分、体力が残っていたのか、
後半ギアを上げたのは鳥栖。

中でも豊田、鎌田のポジションを見ると面白い。
相手GKのキック時には相手のCBまでプレスしにいく。
ショートを繋ぎたい川崎対策。

これが見事にはまる。
やむなくロングをほうる川崎のボールを高さと強さと運動量で拾う鳥栖。
そして右サイドの水沼がサイドによく広がっており、
そこに綺麗にカウンターが通るシーンが見られた。

鎌田も何度となく前を向いてプレー。
スルーパスを狙い、
サイドからも見事なクロス
逆サイドの豊田にきれいに通ったそのヘディングは力なくGKに弾かれた。

守備陣も非常に集中しており、
カウンターで危険なシーンも
菊池、藤田の二人が身体を投げ出したシーンは感動的ですらあった。

赤星も見事な気迫で守りきる。
鎌田も身体を投げ出してのスライディングを魅せる。


まさに戦う鳥栖。

サイドからのクロスに飛び込む豊田。
弾かれたボールに詰める鎌田。

しかし最後のところは決めきれず 1-1で終了


■鎌田について
鎌田が期待の若手、未知のインパクトという存在から
しっかりとした一人の先発として、安定のある戦力となったことは大きい。

インパクトに依存せず。

しかしそれでもスルーパスは読まれてることも多く、
シュートのシーンでも、上手いが故に、コースを探したり
いい形に持っていこうとしすぎている。
もっと強引でも、松本戦のゴールのように思い切りを見せて欲しい。


不安視したセットプレーでも失点はせず、
粘り強く守ったことは評価できる。
この日はあまりにもシュートが入らなかったが
それでも10本以上のシュート
川崎相手に後半はボールを支配する展開も作り出す。

鳥栖としては内容十分、結果はやや不満、、、という90分だった。


■選手総評
赤星 6.0
前半はやや不安定も、後半は粘り強さが戻る。
しっかりとしたセーブと安定感のあるキックを見せた。

吉田 7.0
今日のMVP。粘り腰の守備、攻守の運動量、激しさ。
PK奪取にも貢献。左右どちらのSBもこなし、最後まで質は落ちなかった。

谷口 5.5
激しい守備と戦う気持ちは見せた。
しかしやはりファール気味になることが多く
もう少し安定感が欲しい

菊池 6.5
持ち前のクレバーな守備だけでなく、身体を張った守備を披露。
気持ちの入ったプレーで90分戦い続けた。
1本だけミスがあったが、藤田への縦パスも積極的にチャレンジしていた。

キムミヌ 6.0
終盤は一列あげて攻撃に専念。
SBとしても良質なプレーを披露。

藤田 6.5
代表クラスの川崎の中盤相手に一歩も引かず。
素晴らしいパスをいくつか通し、セットプレーでも脅威に。


高橋 5.5
連戦でややプレーのパワーが落ちた印象。
前半回されすぎた要因の一人でもあった。
後半は激しいプレスが戻る。

水沼 6.0
素晴らしい飛び出しから何度もチャンスを演出。
得意のクロスは最後まで合わなかったが
常にゴールを意識した動きを見せていた。

ペク 6.0
ここ数試合の中では良い出来。
守備の激しさもだんだんと向上している。
それでもクロス、シュートの質の向上はもう一歩求めたい。


鎌田 6.0
得意のスルーパスでPKに繋げる。
他にも前線で高い技術を見せ、相手の脅威となり続けた。
90分戦ったこと、思いのほか激しいプレス、
そして1対1の守備の弱さ、、、と収穫の多い試合だった


豊田 5.5
PKでゴールを奪うも、そのほかの決定機を外し続けた。
プレスでの貢献、プレーの強度、ヘディングでの起点と
まさに求められるプレーは全て高水準でこなしたが、
それでも1対1、フリーのヘディング、クロスと
3つのチャンスを外したのは減点材料。
だからと言って彼の価値が下がるわけではない。
試合への貢献度は素晴らしく高かった。



早坂 6.0
交代出場した試合の中では最も良い出来。
カウンターで攻撃の起点となり、
連戦と熱さの中、交代し運動量をもたらした。


チェソングン 6.0
水沼に変わって出場。
吉田を左に回して、右SBに入った。
SBとしては安定感もあり、残り10分というところで
最後まで運動量、集中も落ちなかった。


菅沼 -
最後のCKでの出場。
もう少し見たい選手ではあったが。


森下 6.0
先発のチョイス、
後半への軌道修正、
交代選手の躍動、
監督として試合に対して出来ることは
高い質をもたらしたと言える。

勝ちだけを求めるならば菅沼の投入はもう少し早く見たかったが
リーグ戦であり、負けないことも視野に入れた采配だったか。

何より2ndになって、鳥栖の持ち味である激しさや
粘りのある守備が戻ってきてることは大きい。


■最後に
案外、勝てる、、、と先日の記事で書いたが、
終わってもその印象は変わらなかった。

それだけに勝ちきれなかったことは悔しいところだが、
内容や今後に向けて十分な価値があったといえる。


勝ちは落としたが
価値は落とさなかった。



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