6-1の敗北

衝撃と悔しさが混ざりあったスタジアム、

細かいレビューはまた後日
印象に残ったことを、列記します


■前半の支配……
90分持ったかどうかは分からない
けれど、退場するまでは確かに試合を支配したのは鳥栖だった
前へのプレス、吉田のシュート、球際の強さ、圧力
そして、繋げるところは繋いでいく攻撃
それは首位を走る浦和にも確かに通じていた

■吉田の退場
1.2枚目ともにサッカーとしては妥当なイエロー
時間を考えて注意にしてくれる審判もいるかもしれないが
それでも抜かれたところを焦ったが故
浦和クラスになると個人では止めれない
それは仕方ない
それを想定してチームで対処してほしかったところ
ある意味吉田の責任感の強さ、自分がなんとかしよう、
その意志が裏目に出たか
チームメイトを信頼し、反省し、がんばってほしい
あの安田だってボール叩きつけて退場したんだし

■前半の一体感
退場後、初めて……と言っては失礼かもしれないが
サポーターの後押しが選手を鼓舞したと信じたい
いつもは劣勢になるとサポーターが消沈し
それでも戦う選手、取り返す闘志をみて、
サポーターも復活する
しかしこの日の前半は
あまりにも多すぎる浦和よりの審判
あまりにも鳥栖にとって不運が重なる
そのなかでも皆が唄い、励まし、そして選手は走りだした

コータのゴールはそれが一つの絵画のように芸術的であり
それはサッカーの美しさを証明した

すなわち、不利や不運や、審判や、自分たちでコントロールできない難題をどれだけ与えられても
闘うこと、そして、ゴールすることは
自分たちの手で掴みとれる、という


■サッカーは美しくそして残酷だ
一人少ない鳥栖が、今季最強の浦和に勝つ
そんな漫画的な展開も鳥栖だからこそ期待した
しかし、後半早々に追い付かれると、中央を突破され逆転を許す

その後はズラタン、梅崎、高木と容赦なく攻撃をやめない浦和

ある意味それは、鳥栖が強敵として認められた証だろう

どういっても、浦和が後半に鳥栖にやられていたのは
油断や、相手への見下しは無意識下にあったと思う

この日の6点は浦和がどんな点差になっても真剣に戦い
点差に関係なくつねにもう一点を目指した結果

その姿勢は称賛すべきだし、それこそが
鳥栖を強敵とみなし、最後まで手を抜かなかった証と思う

鳥栖にとっては4年目のJリーグ
これだけ悔しく、厳しい想いを味わったのは初めてか
浦和には感謝しよう

最後まで戦ってくれたこと(途中で手を抜かれることこそ屈辱)
そして次は絶対に勝ちたい、と思うほどの悔しさをくれたこと

これだけ思える憎きライバルというのも
スポーツのなかでは素晴らしいこと

こんな残酷な結果も、これもサッカーの一部
この日はサッカーの美しさと残酷さ、
人生の縮図のように苦しみや上手くいかないこと
それが見えた試合だった。
この苦しみの先には必ずまた這い上がる鳥栖がいると信じてる

今までも鳥栖はそうやって戦ってきたのだから

■サポーター
これだけ点差がついて、雨のなか、
それでもほとんど誰も帰らず
最後まで一緒に戦ったことは誇りに思える

これもサッカー
ブラジルでさえ切れてしまえばこんな点差で負けることもある
大事なのは戦ったのか、どうか

フィールドでの借りはフィールドでしか返せない


■戦術
勝ってる後半から5バックで守りに行きドン引きすべきだったのか?
やってないのだから結果は分からない

けれどリードしているときに、どうする、という采配が見えないのは気になる

この日も追い付かれ、逆転されてから、
ぺくや鎌田でせめて一矢報いる、という交代

逆転されてからなので、何もせず座して負けるよりは良い
しかし守っても勝てないから、せめて一矢報いるという戦法は
やはり一か八かとなる
今まではかなり奇跡的に良い結果が多かったが
この日はバチだった

そうなる前に試合をコントロールすることも大事かもしれない

もっともそれをするとずるずると下がってしまい
鳥栖のよさ、前からの圧力が消えてしまう危険もある

つまりサッカーにたら、れば、はない。

この日は逆転され、それでも一点を目指して戦った
そして玉砕した
それだけのこと


■闘志
5点目を取られ、初めて試合の途中で倒れこむ鳥栖をみた
衝撃の姿

どんな点差でも、残り時間が少なくとも
それでも戦い続けるのが鳥栖だと信じてる

それだけ苦しく、辛い試合だったのは分かる
だからこそ前をむいて、その現実と戦い、
最後まで戦ってほしい
そういう姿に僕らは惹き付けられ
スタジアムに通い始めたんだ

華麗じゃなくてもいい
泥臭くてもいい

頑張る、その姿、それこそがスポーツの美しさだろう


■最後に……
下を向くな

試合はまだ続く

続いてる限り戦い続けるしかない

諦めたら、本当にその瞬間

鳥栖は鳥栖ではなくなるのだから

もう一度戦おう



そう思った5.30