アザール、マタ、ランパード、Fトーレスと
攻撃陣を補強したチェルシーの優勢が騒がれる中で
コリンチャンスが素晴らしいサッカーを披露した。


前半、コリンチャンスはパスの出処をつぶしにかかる。
ランパードが持つと非常に激しい寄せで自由にプレーさせない。

そして攻撃ではエメルソンのドリブル、そしてゲレーロのキープ力を活かして
チェルシーを押し込んでいく。

コリンチャンスが面白かったのは、中盤でもボールをもつと
ドリブルで一人抜いてからプレーするイメージが強かったこと。

そして今まで ドリブル主体のチームだと
個人技だけのサッカーや、守備が弱いというのとセットで考えられていたが、
コリンチャンスは違った。

守備は組織的かつ、個人の球際の強さを活かしてしっかりと守り
攻撃でも周囲は連動して動くなかで確実にかわせるドリブル技術を使って
攻めてくる。

非常に強いチームであった。

古き良きブラジルの個人技サッカーを生かしつつ
近代的な組織プレーも噛み合せた高質なサッカー。
それがコリンチャンスの正体だった。

チェルシーはDルイス、ラミレスの守備力
そしてAコールの突破とマタ、アザールの創造力は魅せたが
最後のアイデアが足りなかったり、GKのスーパーセーブに防がれ得点にならない。

押してるようで、コリンチャンスの意図したゲームだったのではないか?


ゲレーロのキープ力はほんとうにすごく、
それでいてファーストチェックもしっかりと行い守備を助けていた。

個人技と組織を十分に活かしたコリンチャンスに対して
チェルシーは自分たちの強みを生かせなかった。

というよりチェルシーの強みはどこか?
自分たちで把握してない気がした。

イングランド風のサイドに早いサッカーでチャンスを作るものの
Fトーレスは明らかにそういうサッカーに適合しない。

マタ、アザールはボールを落ち着けようとするが、
その中ではランパード、ラミレスはまるで噛み合わない。

転換期なのだろうが、今日はチーム力、そして個人の技術の差で
コリンチャンスが上回ったと言える。

技術というのはパスの上手さ、という評価が支配する昨今で
しっかりとドリブルできる、相手をかわせるという基本的な1対1の強さを
見せつけてくれたコリンチャンスに拍手。


そしてもしかしたらこれがパス全盛の今のサッカーに
一石を投じるかもしれない。
バルサが出したパスサッカーの強さ、その答えに対して
また一昔前のように思えるサッカーが上回る。

これだからサッカーは面白い。


選手評価(先発のみ)
チェフ  6.0 及第点の出来。失点はノーチャンス
Dルイス 7.0 守備陣を一人で支えた。球際で負けなかったのは彼だけ。
ケーヒル 5.0 人への強さは見せたがゲレーロに対して最後まで引き気味だった。
イバノビッチ 4.5 攻守に存在感を見せれず
Aコール 6.0 攻撃にアクセントを付けた。守備でも安定

ランパード 5.0 中盤を支配できず。
ラミレス 5.5 守備力は発揮するも攻撃には関与できず
マタ 6.0 攻撃に創造性を付与したが、いつもの支配力は見せれず
アザール 6.0 怖さを見せたが最後の精度を欠く。
モーゼス 5.0 攻撃でインパクトを残せず

Fトーレス 4.0 いい動きはしていたが全てストップされた。


カッシオ     8.0 すばらしいセーブを連発。    
アレサンドロ  6.0 安定した守備を支えた
シカン      6.0 玉際の強さを発揮。
Pアンドレ     6.5  攻守に運動量を見せた。  
ファビオサントス 65 安定した守備とつなぎでうまさを見せた。
パウリーニョ  7.0 中盤を制圧。攻守に圧倒的な存在感を見せた。    
ラウフ      6.0 及第点のでき。中盤の守備を担当
ジョルジエンリケ 6.0 無難なつなぎ。得意のドリブルはたまに。
ダニーロ    6.5 攻撃で常に相手より優位に立っていた。ドリブルでもみせた。       
エメルソン   7.0 常にボールに絡み、繋ぎにキープに活躍。    
ゲレロ  8.0 攻撃の中心。キープ力と攻撃力、ドリブルと攻撃の全てで魅せた。