フランス学士院から ルーブル宮に掛けられた 歩道橋 

ポンデザール (芸術橋)を 渡る

この橋は

19世紀初頭 

ナポレオンの命令で 造られた

パリで初めての 鋼鉄製の橋とか

シンプルで、すっきりデザインの橋

よく見ると 

目

橋の欄干の間に 文字が!

 

目

LOVE 

と読み取れる

鋼鉄の枠に はめこまれた アクリル板に

赤ペンで 落書き!

 

このアクリルは 元は 金網で

パリにやってきて恋人たちは

金網に 南京錠を掛け、愛を誓い

鍵をセーヌ川に流す

これ 流行って 流行って

橋は 南京錠でいっぱいに!!

重みで 橋が 壊れる!!

困ったパリ市は 金網を アクリルに取り換えた

「愛の南京錠事件」は

この橋の上のお話なのだ

パリは エピソードで いっぱいだ

 

フランスで最も有名な人の名前の

ボナパルト

サン・ジェルマン広場から

セーヌ川へと 続く 細長い通り

イネスの アトリエを出入りしているうちに

キリリと エレガントで 

アカデミックな 雰囲気を 感じる

 

有名な マカロンのお店も ここ

アート・ギャラリーや 古書店などが あちこちに

が、道の東側は

エコール・デ・ボザール(美術学校)が 占める

Ecole national superieur des Beaux-Arts

つまり

パリで 美術をめざす人たちの メッカ

美術愛好家の集まる場所なのだ

 

この通りをぬけて セーヌ川にでる

と マラケ河岸に

この建物が で~んと 占める

フランス学士院 Institut de France

学術団体の集まり・学問の殿堂

内の アカデミー・フランセーズは

フランス言語・文学の メッカ 

 

振り向けば セーヌ川が 広がり

左手に ポン・ヌフ

中央に シテ島の 突端が 見える

シテ島 突端に 植えられた 柳の木

ヴェール・ギャランVert-Galant

Vertは、フランス語で、緑、

Garantは、色っぽい、の意味

そこから、「女たらし」の意につながるらしい

アンリ4世のニックネームが

この先端の 小公園Squareの 名前とか

粋な 名前

 

対岸には ルーブル宮殿が 広がる

ここは 

パリ左岸の 中心の場所だ

 

 

 

 

パリでお世話になった イネスは  

書道の先生

書道は、フランス語で カリグラフィ( calligraphie )

女性の書家は カリグラフューズ( calligrapheuse )

墨絵は スミエ( Sumié) で、フランス語になっている

 

お昼に アトリエに来ませんか

昼食を一緒にしましょう

サン・ジェルマン大通りから ボナパルト街を上り

「ラ・デュレ」LaDuree というマカロンのお菓子屋さんを通り

その次の通りの ヴィスコンティ通りに アトリエはあるの

と、

住所と地図を 書いてくれた

で、10日正午

サン・ミッシェル大通りで タクシーに乗り

サン・ジェルマン広場を周り、ボナパルト街へ向かう

途中、カフェ・ドゥ・マーゴが見えた

角で降りて、ヴィスコンティ通りへ 

 

アトリエでは、

さくらんぼ、苺、白い花の枝など 季節の素材を前に

シニアのマダムたちが、10人ほど、筆を動かしている

イネスが 「墨」の「ぼかし」の技法を 説明すると

みんな 濃淡のグラデーションを 練習 

真剣だ

どうやら

東洋の 白と黒だけの 造詣が 魅力らしい

日本の書道教室とは 

アプローチが 少々違うようだ

そういえば、19世紀末

日本の「浮世絵」の 真価を再発見したのは 

フランスの印象派の画家たちだった

 

絵画好きの娘も 参加し

それぞれに 「墨絵 スミエ」を 仕上げ、

もちよりの昼食で、 おしゃべりを楽しむ

1時半からは、次のクラスがあるとかで

私たちは パリの観光に 出かけることにした。

 

 

 

 

 

クリュニ―中世美術館で

絵葉書を 2枚 買った

6枚のタピスリ 「貴婦人と一角獣」の 背景に

脇役で 登場する 犬や猿、狐など動物たちの コラージュ

 

犬一匹も、

小さい野の花たちも、緻密に表現されて

繊細で 可愛い! 

すべて、

糸を紡いで織られた タピスリ!

 

フランスの 織物文化の伝統は 深い

 

2003年 渡仏の折

ノルマンディー地方のバイユーを訪問した

この小さな町に、

バイユー・タペストリー美術館がある

そこで買った 絵はがきやカードが、今も手元にある

が、これぞ 

フランス国宝のタペストリー

Tapisserie de Bayeux

ただ、

この作品は、織物ではなく

幅50cm 長さ70m の麻布に

11世紀の 英仏戦争の物語が 描かれている

つ、つまり

70メートルの 長~い布に 

一針一針 力強い素朴なタッチで

お話の絵が 刺されている

壮大な 「刺繍」の 布 !!

軍人も 馬も 船も 農民も 犬も

大迫力で迫ってきて

ス、ス、凄い・・・

「布」は 偉大だ、滅びない!

唸ってしまう

刺繍好きな人 必見の タピスリ なのです

 

ファッション文化の国フランス

先人たちの 「糸」と「布」に対する 技量とセンス

素晴らしいです

5月10日朝

イタリア広場より 27番のバスに乗る

ゴブラン大通りを上り ムフタール通りを右に見ながら

リュクサンブール公園の方角へ向かう

と、

手前のストップで、

「リュクサンブール公園には停車しません、降りる人はここで」

バスの運転手さんの声

新緑のリュクサンブール公園は 立ち入り禁止で

パトカーが数台並び、通行車の点検中

ここでも ものものしい警備に遭遇した

 

サン・ミッシェル広場で バスを降りる

 

ジョセフ・ジベール書店の文具屋さんに入る

45年前 

ソルボンヌ文明講座の 学生であった頃 通った

大好きな書店

懐かしい!

娘は、

「ここ おもしろいものが いっぱい!」

と、もう おみやげ漁り。

パンとマカロンがおいしそうなカフェを選び、朝ごはん

 

サン・ミッシェル大通りとサン・ジェルマン大通りの交差点を渡る

「クリュニ―中世美術館」がある

Musée national du Moyen Age

Thermes et hôtel de Cluny

カルチエ・ラタンの喧騒な学生街を抜け

静かな佇まいの門をくぐる

中世の館に 迷い込む

起源は、1世紀の古代ローマに遡り

ガリア戦争で勝利をし

この地に遠征したローマ人たちは 

お風呂が大好きで

セーヌ川から水を引き

浴場、プール、運動場を作ったという

そうか・・・

サンジェルマン大通りを歩くと

鉄柵越しに見える 

草ぼうぼうで 石ころだらけの 奇妙な 空き地

あの空き地は 

つまり、

古代ローマ人の浴場の遺跡なのだ!!

15世紀に、クリュニ―修道会が修道院を建て、

その建物が、現美術館になっている

 

ここに

フランスの至宝と言われる

 6枚の連作のタピスリ (綴れ織り) がある

 

『貴婦人と一角獣』の タピスリより

Tapisserie de La Dame à la licorne

五感の中の「聴覚」の寓意を表すタピスリ

竪琴のような鍵盤楽器を奏でる貴婦人の優美な姿

木々や小花、一角獣や動物たちが取り巻く何とも雅なデザインで、

謎めいて あれこれ想いが広がる 

不思議な作品である

他にも

 

いろいろなタピスリや調度品の展示がある

「貴婦人と一角獣」を観賞した後では

どれもフツー

 

光を落とした 中世の世界から抜け出て

石の館から 外に出る

真っ青な 5月のパリの空

お向かいの公園の新緑が 

まぶしかった