マヤカレンダー今日は「風2」
「ル・クレジオ」という作家は、インディオ集落での生活を体験し、インディオの世界を「自分がこの地上でもっとも愛するもの」であると語っています。
彼はマヤ神話「チラムバラムの書」をマヤキチェー語から翻訳した人でもあり、壮大なマヤアステカの世界、あるいはインディオの世界を語るその表現は、うっとりするほど素晴らしいです
インディオの言語は呪術的だといいます。
人間と宇宙とを結びつける契約であり、文法や構文は呪術的な論理にもとづくもので、これに反して「沈黙」というものは、すべてを可能にする、自然なものです。
動物も岩も木々も山も語らない。
石の言葉、樹の言葉、花の言葉を解さなくなってしまい、人間は言葉をもつがゆえに閉ざされてしまったわけです。
そのことをインディオは知っている。
言葉の呪いを感じていて、そのことに対してインディオたちは漠然と多少の責任があると感じていて、言葉は種族の力であると同時に、その勝利をも恐れている。
だからインディオは多くを語らない。
「沈黙」を自然の言葉として尊重し、脅迫を消し、呪いを解くカギだと知っているわけですね。
彼の感性のすばらしさは
インディオの女性の「髪」についての表現にも表れています。
「朝ごとに同じ順序にしたがって整えられるその髪の毛は、一本一本の髪が注意深く並べられていて、緊密な全体をなして、一つの言語となっている」
「女の一人一人がもっている現実の髪の毛、裏切られることのない作品。女が創り出し、所有する作品。強烈な黒色に輝く、この髪の毛の美しさはどこから来るのだろうか。そしてなにを語っているのだろうか」
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