マヤカレンダー今日は「風・8」
精神世界ニューエイジ・ブームのなかで、「マヤニズム」「マヤニスト」としてカテゴライズされている人たちがいます。
考古学者やマヤ文明の歴史研究者たちとは別です。
SFや古代宇宙飛行士説をはじめ、メキシコの神秘や思想世界からの教え、あるいはアポカリプスやディストピアを説くものや、疑似科学として新世界概念を打ち出すもの、予言や神智学と統合させる試みを行うものなど、古代マヤ暦やマヤ世界に様々な物語を統合させて、体系化したり、概念化している人たちがいます。
エーリッヒ・フォン・デニケン、ジョン・メイヤー・ジェンキンス、ゼカリヤ・シッチン、グラハム・ハンコック、テレンス・マッケナ、ホゼ・アグエイアス、カール・コールマンなどが有名です。他にもたくさんいます。
今日は1回目として「マヤニズム」「マヤニスト」と呼ばれる、ニューウェーブのムーブメントの一端を担った、ホセ・アグエイアスとトニー・シアラーについて、紹介してみます。
マヤ暦に非常に関係する人たちですね。
ホセ・アグエイアス(1939年1月24日生 ヘビ10コンドル周期)は、書籍「ケツァルコアトル:夜明けの主」1971年の著者トニー・シーラー(1926年10月27日生 コーン10トカゲ周期)とともに中南米、マヤアステカの研究をしていた仲間です。
トニー・シアラーは、ヒッピーやカウンターカルチャー、ネオ・シャーマニズムがカルチャーブームとなった1970年代の「ニューエイジ」と呼ばれるムーヴメントの中にいる作家でした。
彼は1960年代、メディアの放送ジャーナリストとして有名だったが、その仕事をやめてメソアメリカ(マヤアステカ周辺)の信念や世界観を研究し、経験することが大事だと「ケツァルコアトル:夜明けの主」を執筆しました。
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1987年のハーモニック・コンヴァージェンスは、トニー・シアラーとホセ・アグエイアス、テレンス・マッケナなど、ニューウェーブのムーブメントとして行われたイベントです。
「すばらしい新世界」や「知覚の扉」著書を生み出したイギリスの作家、オルダス・ハクスレー(1894年7月26日 コーン8死周期)は神秘主義研究者として、ホセ・アグエイアスやテレンス・マッケナに影響を与えたといわれています。
テレンス・マッケナはシャーマニズム文化や幻覚研究をしているアメリカの思想研究家です。彼は易経から「タイムウェーブ0セオリー」をコンピューターで計算して発表しますが、その計算で得られた結果が2012年12月22日、マヤ暦のロングカウントが終わる時と符合したため、マヤ暦滅亡説が加速化したのかと思います。
またホセ・アグエイアスは、ハクスレーだけでなく、ニーチェのニヒリズム超人思想にも影響を受けて学んでいたようで、サイケデリックあるいはカウンターカルチャーのニューウェーブに、ディストピア的アポカリプスと数学的な時間のアプローチとを同じ土俵で語ってしまったのではないかと思われます。
トニー・シアラーは、初版から改訂版を出版するまで、23年間を要したそうです。
一部紹介します。
トニー・シアラーは、初版を執筆する際、イギリス人作家D.H.ローレンス(1885年9月11日生 コーン5水周期)がかつて1926年「羽毛をもつ蛇」を著して、神聖な神話を引っ掻き回していたこともあり、この「夜明けの主」が古代メキシコの羽毛蛇に関する書を批判的な文学にしたくはなかったと語っています。
1971年に出版した初版は、23年の間この惑星地球を一周しました。
そして1995年改訂版で戻ってきて、その信じられないほどの冒険についての独自の物語を語っています。
以前の版と同じように、ケツァルコアトルと13の天国と9つの地獄の預言に関する特別な記事は基本的に変更されてはいませんが、改訂版では、アリシアという名前のサポテカ出身の女性について、読者に伝えるプレリュード「母」の物語を追加しました 。
序章ではまた、物語がどのように出版されたのか、作者の夜明けの主のメッセージを広めることにおける作者の勝利と変遷、そして驚くべき予言がどのように達成され、達成されているかについても語っています。
新しい改訂版では、トニー・シアラーはケツァルコアトルについてのオリジナルストーリーと13の天国と9つの地獄の予言については、変更していません。
しかし、主に学術書に見られる情報が含まれていて、メインテーマから逸脱していた初版の特定のマイナーセクション部分は、削除されました。
その結果、改訂版でのケツァルコアトル神話では、トニーのバージョンのメッセージを忠実に保ちながら、新たな明快さと新鮮さが吹き込まれています。
著者はまた、メキシコのオアハカの谷を訪れたときにこの物語をどのように学んだか、初版が初めて公開されたその方法、その後最初に発行してから23年の間に、どのように予言が成し遂げられたかなど起こったことを読者に伝えるとともに、本作前の特別プレリュードとして書いています。
トニー・シアラーは現在、ネイティブアメリカンのフルートアーティストとして、あるいはラコタのストーリーテラーとして、アーティストとしても活躍されています。
トニーの書籍には、マヤの暦を自分なりに解釈していく技法が綴られているようですが、20サイン×13ナンバー=260で1ツォルキンというところまでは、同じです。
なのですが、そこからサポテカの先生の教えがダイアグラムに組み込まれていき、天界数「13」と冥界数「9」がなぜだか「足す=加算」され「13+9=22」という計算が生まれ(それは古代マヤ暦には疑問の始まりですが)、その22が52と掛け合わせられて「22×52=1144年」となり、それが5つの世界があるということだから、5720年になり、それは驚くべきことにユダヤ暦と関係あるんだということになったようです。
なのでこの計算式のアイデアはやはりトニー・シアラーセオリーとなり、ホセ氏のものでも古代マヤ暦の原型でもないものとなりますね。
トニー・シアラーという人物像について、こんな紹介がありました。
トニーは、ラコタ系であるため、部族の権利を主張しません。
彼の登録地はデンバーのコロラドの「西側」でした。
彼はそこを「古いハードコア、シカゴタウン」と呼んでいました。
彼自身は、黒人、イタリア人、ユダヤ人、メキシコ人、そして彼自身のような「種族」で構成されていた部族民でした。
彼が10才のとき1936年世界大恐慌がおこり、10歳で孤児になりました。
その後、彼は行方不明の父親を探す旅が始まりました。
トニーは彼の父を見つけることはできませんでしたが、その代わりに作家や芸術家としての彼の才能と、彼の素晴らしい声を発見し、最終的に彼はタイムライフ放送とCBSテレビでの仕事を得ました。
しかしトニーは「成功」に満足しませんでした。北アメリカと中央アメリカの両方で、ネイティブアメリカンの人々が土地の侵略や民族にたいしてなされている不正や残虐行為に怒りをもちました。
トニーは才能のあったメディアの仕事を辞め、答えを求めて南メキシコとユカタンに行きました。
そこで彼は、アメリカ先住民の偉大な文化的ヒーローである「ケツァルコアトルの物語」(ポポルヴフ神話)を発見し、新しい時代を約束する預言を研究解読し、また世界最大といわれる樹を見つけました。
彼自身その物語と予言を通してトニーの人生が根本的に変わったことを認め、それ以来多くの他の人々の人生に教えをのこしてきました。
ネイティブアメリカンがかつて迫害されていたのをみて、怒りを覚えたことがきっかけになって、ジャーナリストとしての仕事を辞め、ユカタン半島へ自分探し、答えを求めて出かけていったのだということですね。
マヤニズムを提唱するにも、やはりその動機や目的はとても大切です。
それを提唱した人が、どういった社会でどういう世界観を背景にして、自分のセオリーを展開していくのかは、文化的に人々に大きな影響を与えるからです。
精神世界の系譜を学んでいくこともとても大事な営みですね。
マヤニズムについては、ウィキペディアを参照されると良いと思います。
また次の機会に、別のムーブメントをとりあげたいと思います。