鳥井賀句さんより | MAYAオフィシャルブログPowered by Ameba

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数多くの国内外著名人達のライナーを書かれている音楽評論家、

鳥井賀句さんが昨夜のライブのご感想を書いてくださいました。
潔い言葉の数々に感動です。心より感謝申し上げます。MAYA

 

7SEP
MAYA BIRTHDAY LIVE@ LA-DONNA 原宿

MAYA(Vocal) (with 松尾明&TakeTenOrchestra) ・宮野裕司alto sax

 ・高橋康廣tenor sax ・皆川亨tenor sax ・伊勢秀一郎trumpet

・内田光昭trombone ・西田幹bass tro...mbone ・二村希一piano

 ・上羽康志bass ・松尾明drums

 

2001年にレコード・デヴューしてから今までに

15枚ほどのアルバムを発表し,2005年のアルバム『Love Potion No.9』で

第39回スイングジャーナル誌選定ジャズディスク大賞・ボーカル賞(国内部門)を受賞し、

国内女性ジャズ・ボーカリストのトップに立っているMAYA。

英語、フランス語、スペイン語、イタリア語、ポルトガル語、等々で自在に歌える

プロフェッショナルなジャズ・シンガーだ。

 

そんな彼女が昨年初めて全曲日本語で歌ったライブ・アルバム『 LIVE MAYA』は、

浅川マキのプロデューサーとして知られる寺本幸司さんのプロデュースで、

浅川マキ、ちあきなおみ、UA,松田優作、北原ミレイ 等々、ディープな選曲に挑戦した作品だったが、

それを聴いて、MAYAのテクニックだけでなく、5分間の歌のドラマの主人公を

見事に歌で演じきれるその表現力とパッションに感心し、

実際のライブを見に行ってその思いはさらに強くなった。

 

実は俺は今まで日本で有名とされる和製ジャズ・シンガーとかには殆ど興味がなかった。

いくら流ちょうな英語でテクニカルに歌えても、だったらNYでも行って、

本場のジャズ・シンガーの歌を聞いたほうがいいいと思う。

別に英語で歌っているから悪いと言っているのではなく、

いくら流ちょうな日本語で落語をやるアメリカ人がいても、

本物の談志や志ん生を聞いたほうがいいと思うのと同じ感覚かもしれない。

 

日本人がジャズやロックやブルース等々の外国産の音楽をやる場合、

本場の外国人をしのぐほどの歌唱力や演奏力を持った人もいる。

でも俺は個人的にそういう外国の音楽と日本人としてのアイデンティティを

融合させていくタイプのほうが好きだ。

 

ボブ・ディランの歌を、日本人がいくら流ちょうな英語でカバーしてみても面白くもなんともない。

基本的にブルース詩人であるボブ・ディランの曲は、

彼の歌の持つメッセージ性や叙事詩としての表現に意味があるからだ。
スパゲティがイタリアの食べ物でも、日本でそれをタラコ納豆スパゲティにしてみたら、

それはそれで新しいパスタの完成であるのと同じようなことかな。文化的なミクスチャーのほうが面白い。

 

その意味で、MAYAが日本語で歌っている曲は、「いわゆるジャズ」とは呼べないのかもしれない。

堅物のジャズ・ファンは、なんで歌謡曲のちあきなおみや北原ミレイなんか歌うんだと怒る人もいるだろう。

ジャズ的にアレンジした歌謡曲やJ-POPという人もいるかもしれない。

しかし逆に歌っている本人がこれは私流のジャズなんだと言えば、

それはジャズだと言える。これはジャズでこれはロックでなんて分類は

この時代には既に大した意味をなさない。

 

極論を言えば、俺たちは「ジャズ」とか「ロック」とか「歌謡曲」という「ジャンル」を

聞きたいわけではなく、「その歌い手の歌」を聞きたいのだ。

だからMAYAがラテンを歌おうと、ちあきなおみを歌おうと、

それが「MAYAの歌」になっていればいいのだ。

パンク・ロックのゴッドファーザーと呼ばれるイギー・ポップが

2012年に『APRES』というエディット・ピアフやフランク・シナトラや

セルジュ・ゲンスブール等のシャンソンやスタンダードばかり歌ったアルバムを出したが、

それは見事に「イギー・ポップの歌」になっていた。

 

今回はバースデーでホーン・セクションも付いていたからか、

前回よりもリラックスしている感じのMAYAの歌が楽しめた。

適度なやさぐれ感と、ある種のエレガンスさが、

実に良いバランスで溶け込んでいる・・そんな感じを受けた。


この夜、俺は間違いなく「MAYAの歌」を聴いた。

by GAKU

 

【MAYA live schedule】

 

★9/28(金)横浜BarBarBar
19:30 ~3ステージ
予約045-662-0493
松尾 明(Ds)仲田美穂(P)新岡 誠(B)荻原 亮(G)

 

★10/6(土)横浜ジャズプロムナード at Bar Bar Bar 夜の部19時から
MAYA with 松尾明(Ds)遠藤征志(P)嶌田憲二(B)高橋康廣(Ts)

 

★10/21(日)横浜希望ヶ丘CASK

 

★10/26(金)阿佐ヶ谷ジャズストリート at 久遠キリスト教会
14:00〜/15:15〜
MAYA with 松尾明(Ds)遠藤征志(P)新岡誠(B)池田雅明(Tb)

 

★10/31(水)西荻窪 アケタの店
*浅川マキライブでも知られる伝説のライブハウス“アケタ”に遂にMAYA初出演!
予約 03-3395-9507
MAYA with 松尾明(Ds)Trio二村希一(P)嶌田憲二(B)

 

★12/21(金) 原宿ラドンナ
スペシャルXmasライブ
*共演者は近日発表します。
お楽しみに♡

 

【新譜 LIVE MAYA 】
CD&DVD(2枚組)
LP(完全数量限定販売)


■収録
※CD・DVD・LPはそれぞれバージョンや収録曲が異なります。

<CD>
横浜ホンキートンク・ブルース/ふしあわせという名の猫/セント・ジェームス病院/うかれ屋/シェルブールの雨傘~ワインレッドの心/別れたあとで/悲しみジョニー/朝日のあたる家 /懺悔の値打ちもない

<DVD>
横浜ホンキートンク・ブルース/ベサメ・ムーチョ/うかれ屋/アドロ/朝日のあたる家 他

<LPレコード>
■収録曲:
Side-A:
1. 横浜ホンキートンク・ブルース
2. ふしあわせという名の猫
3. セント・ジェームス病院
4. うかれ屋
Side-B
1. 別れたあとで
2. 男と女の部屋
3. 夢は夜ひらく~トレス・パラブラス
4. 朝日のあたる家

■参加メンバー:
< 9月16日収録メンバー>MAYA(vo)、片岡雄三(tb)、二村希一(p)、新岡 誠(b)、松尾 明(ds)
< 9月26日収録メンバー>MAYA(vo)、川嶋哲郎(sax)、遠藤征志(p)、嶌田憲二(b)、松尾 明(ds)
■2017年9月ライヴ録音盤
■音楽ディレクション:MAYA
■音楽プロデューサー:松尾 明
■プロデューサー/解説:寺本幸司
■音響プロデューサー/解説:林 正儀
■写真:田村 仁
■A&R:塙 耕記

アルバムの詳細はこちらをご覧ください↓

https://diskunion.net/portal/ct/detail/1007515889