タイトルから、ブルース・リーの「ドラゴンへの道」と連想した人は、
かなりの映画通ではないだろうか?
「最近切に思う」
映画とテレビとネットドラマ、この違いは一体なんだろうか?
昔は、フィルムで撮影され劇場公開されたものが映画だった。
しかしながら現在、フィルムで撮影された映画は数えるくらいしかない。
今年のアカデミー賞では、ネット配信チャンネル・ネットフリックスで製作された
「ローマ」がオスカーを受賞している。
完全にボーダーレスな時代を迎えている。
はっきり言えば、「これは映画だ」と言えば映画なのである。
それでも映画という冠にこだわるのは、そこには得体の知れない魅力が秘められているからだと思う。
番組ディレクターとして、キー局からローカル局、情報番組からバラエティ、ドキュメンタリーなどを
手掛けて今年で25年になる。
でもどこかで、番組制作に対し限界を感じていた。
元々、映画の仕事に携わりたく上京して、尊敬する今村昌平監督が
学長を務める映画学校に入学した。
7つ離れた兄の影響で、小学生の時から、アメリカンニューシネマなど意味も分からず観ていた
マセガキだった。
でも大人になって再び観たときとてつもない感動をしたことを今でも覚えている。
だから映画からテレビに移行する時すごく後ろめたさがあった。
「電波じゃない」劇場で上映できる「映画」をつくりたい。
その思いが日に日に募りついに抑えきれなくなった。
ドキュメンタリー映画
「百年遷宮~小さな神社の神様のお引越し~」を製作することを決意。
ある神社の遷宮という世界的にも珍しい慣習を通し、神道の世界を描くドキュメンタリー映画。
2021年10月までおよそ700日間に及ぶ撮影を敢行し、神秘に満ち溢れた瞬間を
つぶさに追う。
そして秘めた世界が明らかとなる。
派手なアクションも濡れ場もない、ただ日常を淡々と描く。
今村監督は、「映画つくりは米作りと同じ」とよく言っていた。
確かに映画つくりは、気の遠くなるような年月と労力を費やすことになる。
たとえ駄目だとわかっていても、最後までやりきらなきゃならない。
出口のない暗闇の中でもがき苦しみ、絶望の淵を歩んだこともある。
それでも人は必ず、苦しみを乗り越えていく潜在的な力を有している。
この映画が、誰からの心に響き衝き動かすものとなることを願う。

