
赤唐胡麻(アカトウゴマ)/ベニヒマ(紅蓖麻)/ミズマ(水間)/
トウゴマ(唐胡麻)Ricinus communis L./ヒマ(蓖麻)/英名:Castor bean、Castor-oil plant
ドウタイグサ科トウゴマ(リシナス)属・非耐寒性木質性草本(常緑中高木)/多年草~日本では一年草扱い
(花8月下旬~10月・草丈1.5~3mくらい、熱帯では5~6m~10m以上、品種により異なる)
東アフリカ原産~中国を経て、9世紀頃に日本に渡来(説)/一属一種
(撮影2013/10/11)
もうすっかり秋だというのに、大型の台風が大きな被害をもたらしています
海面温度の上昇が要因だと言われますが、先の竜巻の被害といい、だんだん暖かくなってきている
日本の気候の変化が影響していることは皆が感じているのではないでしょうか
また台風がやってきていますので、案じられるところです
さて、出先で、鮮やかな紅色の茎がきれいな、トウゴマ(とうごま・唐胡麻)に出会いましたので、UPしておきます
園芸店などにで見かけることは、まったくなくなったのですが、
アレンジ用の枝物としては出回っているのをみかけますし、調べてみると鉢物やタネも販売されているようです
生け花で「ミズマ(水間)」と言われるのは、秋になると茎や葉が赤く染まる 「アカトウゴマ(赤唐胡麻)」のことで、別名「ベニヒマ(紅蓖麻)」とも呼ばれます
カラーリーフプランツとしても面白いのですが、なかなかお目にかかれません
もっともカラーリーフとして今人気なのは、通称 「銅葉ヒマ(銅葉蓖麻)」 の方でしょうか
(記事下の皆様のブログ紹介参照)

赤く染まった茎がきれいです、実も赤く色づき始めています

上の写真の実の拡大です、下の白い小さな塊は雄花が咲いているところです
トウゴマは、別名「ヒマ(蓖麻)」で、ヒマシ油(Castor-oil)の原料となる植物です
ヒマシ油は古くから薬用(下剤や鎮痛薬など)に利用されるほか、低温でも固まりにくいことから
航空機の潤滑油などにも利用されてきた植物油で、
第二次世界大戦中には日本の畑のあちこちで栽培されていたそうで、当時を知る方からすれば、
昔懐かしい植物、ということです
当時栽培されていた品種は、花は緑だったそうですが、現在それはみかけません、花材で出回るのはもっぱら
このアカトウゴマですが、海外では生産用にさまざまな品種改良がされているそうです
(大きく育つもの、茎の白いものなどいろいろ~)
今でも「ヒマシ油」は、薬用だけでなく、化粧品、香料、また産業用油脂としても使われ、世界での市場は大きく、
現在はインドが主な生産国ですが、東~東南アジアなどでは、トウゴマ栽培は新たなプロジェクトとして
注目を集めているほか、石油資源の消費量を少なくするための再生可能な植物資源・カーボンニュートラル(炭酸ガスの発生量を相殺する)となるバイオ資源としても注目されているそうです
ベンツのオイル、軽油の代替燃料(エマルジョン燃料)、プリウスなどの自動車用のシートクッション、ノートパソコン用の植物性プラスチックのカバー、文房具、はたまたウレタン樹脂、ナイロンなどなど、すでにさまざまな用途に利用されているそうです
決して昔懐かしいだけの植物ではないんです(^.^)

色づき始めの実、晩夏の開花時はこの実は、紅の雌しべをもった雌花でした

頂芽の花芽部分です、奥のほうに紅色の雌しべを出している雌花がありますが分かりますか?

上の写真の拡大です、葉を食べているヨトウムシにピントがあってました(^_^.)
もっと寒くなって実が熟してくると、このイガイガの実が裂果して、中から3つのタネが出てきます
熱帯では品種によっては6m~10mにもなるトウゴマですが、日本では冬の寒さで枯れるので、一年草で扱いで
草丈も高くても3mくらいまでです、写真のトウゴマはコンテナ栽培で、1.2mくらいです
品種によって花芽の付き方も違います
トウゴマの学名「Ricinus communis」にもあるとおり、
種子には有毒なリシンやアルカロイドのリシニンが含まれていますので、
決して口にしないように気をつけなければいけません
同じタネから圧搾するヒマシ油にこの毒性が溶け出すことは無いそうで、熱処理することにより毒性は分解・
消失するといことですが、それでも、気をつけるに越したことはありません
特にトウゴマはこぼれ種でも増えるので、落ちた種をペットが口にしないように気をつけることも大事です
もっとも毒性のある植物は身近にたくさんあります
ダツラ(朝鮮アサガオ)なども、今もまだ咲いていますが、そのタネにも猛毒がありますし、
もっとポピュラーなところでは、チューリップでも水仙でも、かなり前ですが話題になったものでは
アジサイの葉に含まれる青酸成分による中毒があったように、毒性はあるのです
植物は有用で薬用として利用される反面、それは言い換えれば多くは毒性を含んでいる、ということですので、
よく知ることが大事で、いたずらに恐れないことも大事です

コンテナ栽培で小さなアカトウゴマでした
さて、
トウゴマは日本では春まき一年草ですが、夏には大きく育ち、大きいものでは2~3mにもなる大型の草本です
緑~銅葉が美しく、アカトウゴマの秋の鮮紅の茎色も美しく、カラーリーフプランツとしてもアクセントとしても
面白い植物です、花よりも葉や茎の色合い、樹形などを楽しむ、という感じでしょうか
モミジ葉も大きいものでは30cmくらいになりますから、観葉植物としても面白いと思います
「銅葉ヒマ」で出回っているものが今では手に入りやすいと思いますが、皆様のブログのなかから
抜粋してご紹介します、とても参考になります
野生化するくらいですから、強健ですし、日向~半日陰くらいでもよく育ちます
挿し木や接木などには向きませんが、種まきするのが一番簡単なので、お試しください
種はアサガオのように硬いので、撒く前に一夜水につけておきます
熱帯性なので、発芽適温は25℃以上、なのでゴールデンウォークくらいの播種となります
とても生長が早いので、元肥や追肥など、施肥をします(コンテナの場合)
大きく育つので、中低木の庭木と思って、コンテナなら庭木用の大型のものを用意します
育てるのは簡単ですから、機会があればぜひお試しを
(^o^)/
●トウゴマ参考
(small gardenさんブログより) 銅葉ヒマ・ニュージーランドパープル
(ナチュラルガーデン南阿蘇さんブログより) 銅葉ヒマ・ギブソニー