ピアノ演奏グレード5級のこと | こどものピアノ

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中2の娘(ka)と
小5の息子(ta)の二児の母です。
娘はヤマハの専門コース上級、息子はジュニア専門コース5年目。

素人母目線でのピアノ話や勉強のこと、宇宙人娘の発達凹凸や同じく凹凸な高IQ情緒爆発息子の日常のいろいろを記録しています。



わりと未知な部分が多い(と個人的に思っている)ヤマハのピアノ演奏グレード5級。


6級までは学習者用で落ちる事はまずないけど、5級以降は指導者用の試験。

どんどこ落ちるらしい。

(ヤマハ講師は5級取得必須)


6級までとは難易度が別モノ。

なかなか1回では合格出来ない事も普通の話のよう。




詳細はヤマハのHPや要項にありますが、

素人母による簡易バージョンで概要を。

2024年時点です。



カン違いがあるかもなので、

正確に知りたい方は要項をチェック!






ピアノ演奏グレード 5級




①即興演奏 40点

 即興a (20点)

 即興b (20点)


②初見演奏 20点 


③楽曲演奏 40点

 課題曲1曲

 自由曲1曲(3曲用意し、演奏時に試験官が1曲指定)


合計75点以上、且つ

各科目の得点率が50%以上で合格







  ① 即興演奏


a:変奏

b:モチーフ



予見室という部屋に隔離wされて、10分間予見の時間を与えられます。

メモを取る・資料を見る・音を出すなどは全て禁止。

ひたすら脳内再生とエアーピアノで和音をつけ変奏や即興を考える。


予見室から移動し、

名前を呼ばれ入室したら試験開始!



〈即興a〉

即興aは変奏課題。

16小節程度の旋律で、コードネームと和音記号が書いてある。

それらが全て頭に入っている&躊躇せず音に出来るなら、変奏パターンさえ入れておけばほぼ無敵。

もちろん受験者で無敵な人はそうそういないと思われます。




1.テーマ。まず楽譜通りのメロディに、コードネーム及び和音記号通りの音をつけて弾く

(和音はベタ弾きじゃなくて動かす…のがセオリー??)

2.第1変奏

(メロディも伴奏も変奏)

3.第2変奏

(1つ目とは雰囲気を変えた変奏をもういっちょー)


即興的変奏曲って感じで1つの演奏にまとめます。




〈即興b〉

即興bはモチーフ課題。

2〜4小節程度のモチーフから即興で一曲作ります。


予見室では3つのモチーフを与えられ、そこから1つを選択。

調や拍子から「これならイケるんじゃね?」という1つを選び、予見時間内に急いで和音進行を考え構成を組み立てる。


例えばA−A−B−Aで構成を組み(事前にこの構成で練習している)、「◯調でしょ、えーとあれからこれにいって…」と選択した調でいけるかどうか脳内で検証!



変奏課題もそうですが、たどたどしい・棒弾き(曲の自然な抑揚や、構成に則った盛り上がりなどが希薄)は減点になる(加点にならない)ようです。





  ② 初見


2ページ程の曲を30秒予見して演奏します。


初見は6級までと試験内容は同じ。

ただ調や拍子の範囲はなく何でもアリで、5級になるともはや普通の曲。


楽譜内のアーティキュレーションはもちろん、ペダルも使うしフレーズの弾き方や構成に応じた表現も必要。

というか、そうしないと点数は伸びない(と思われる)。





  ③ 楽曲演奏


課題曲は6曲の中から1曲選択。


自由曲は全て異なる作曲家で3曲準備し、演奏時に試験官が指定した1曲を演奏。



この課題曲は全てJOC作品(3・4級の課題曲も)。

JOCはヤマハで学ぶ15歳までの生徒が参加する作曲のコンサート。

さすがJOC作品というべきか(しかも上級グレードの試験曲に選ばれているレベル)、音の種類も多彩だし作曲者のこだわりがてんこ盛り(個人的見解)。


ぱっと聴いた印象は凄く難しそうというわけではないけど、

弾く事や表現をきっちり仕上げるのは簡単ではない…という人も多いでしょう…



2曲とも、繰り返しや再現部は止められる可能性大。

(でもどうなるかわからないのでもちろん練習は最後までね!)


6級までと同じで、暗譜推奨だけど楽譜見てもOK。

(譜めくり出来ないので工夫が必要)

技術、音色、響き、楽曲や様式に合った表現か、などを採点。






  講評


課題が全て終わったら講評です。

試験官は2名。

(主に即興と初見を採点する先生と、楽曲を採点する先生だという話を聞いた事があるが真偽は不明)



それぞれの課題について、良かった点や改善点を聞きます。

質問も結構されるみたいで、6級までの講評より会話は多くなる印象です。

この時点で採点はされていて既に揺るぎないのかは全くわからないけど、受け答えをしっかりして適切に課題を振り返られれば、1点くらい上がったり……しないでしょうかね?w




講評は粛々と受け止め、今後に活かす!






  結果通知


3週間程度で自宅に郵送されます。


ちなみに、5級以降はwebからの申し込み。

試験10日〜1週間前に受験票が届きます。

顔写真を貼ったり自由曲を書き込んだりの準備が必要です。


わたしが驚いたのは、自由曲を事前に提出しないという事。

当日の受付時間まで選択の余地アリ。





  追試


各科目50%以上、且つ

A.合計点70点以上

B.楽曲演奏30点以上

A・Bのいずれかに該当した場合は追試を受けられます。



各科目50%以上、且つ合計点75点以上が合格なので

主にギリ届かなかった70〜74点の人たちが追試を受けられる感じです。


追試資格は最初の全科目受験から1年間有効。


ここがもうちょっと取れれば…な1〜2科目を指定して受けられます。

ただ、点数は最新の試験結果で上書きされるので注意。










講師にならないなら5級取る意味なくない?

とか

グレードってヤマハのみでしか通用しないしねぇ

とか


グレードには是非がありますが。




それを言っちゃあ、というのがわたしの思うところ。



そんな事言ったら世の中の検定や段位とか、その他諸々

全部同じじゃない?




何かを一生懸命頑張ったり努力したからこそ手にできる合格通知。

それはその人の努力の証。

誇れる得意分野。

「プロにならないなら役に立たない」

なんて事はないと思いますキラキラ