7時間20分の映画 | May1993-2022アーカイブ

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先日
7時間20分の映画
「サタンタンゴ」を完走した。

その存在を知ってから、何年も何年も待ち焦がれていた映画だ。

やっぱり強烈であり、今回も大好きな作品。

これでいつか「ヴェルクマイスターハーモニー」を観れたら…
おそらくタル・ベーラ作品をコンプリートとなる。

タル・ベーラはワンカットの長回しが気持ちよく、長回しじゃないとむしろ
「あれ?長回しじゃない」と寂しくなる。
長いワンカットの中に常に起承転結が内包されていて
ワンカットワンカットが生半可な根性じゃない、強烈な根性が込められている。

なので
世の中には90分でも永遠の苦痛を感じるつまらない映画もたくさんあるけど、タル・ベーラの作品はなんぼでも魅入ってしまう。
現に7時間20分もあっという間だったし(もちろん生活の都合上、何度か止めざるを得なかったが)、たまに時間表示を見ながら「あぁ!もうあと5時間しかない!」とか「ラストスパート!残り2時間半や」みたいな
時間の感覚がバカになっていた。

この映画、とある真ん中の章の流れ上、誰にでもはオススメしない。
むしろ、観ないほうが良い人たちも多いと思う。僕も正直辛かったし
でも、タル・ベーラの痛烈なメッセージでもあるし、でも、だからと言ってその撮影法に僕は首を縦には振れない。

でもやはり素晴らしかったし
いつかまた観たいし
上手く言えないけど…

たとえ無言でも、ずっと隣を一緒に歩ける映画…というか。

金哲義