My Family Diary -1260ページ目

ベビーシッター

長男が10ヶ月の時ドイツに赴任しました。


大学で第二外国語としてドイツ語を学んだもののまる暗記ばかりで中身のない勉強。

子供を連れて医者にも行けないのでドイツについて直ぐ家庭教師に来てもらいドイツ語の勉強を再開しました。


ぷっちが生まれてからは二人を傍に置いて勉強するのはとても無理と

アメリカ人の友人に14歳の女の子をベビーシッターとして紹介してもらいました。


私が家にいてみていてもらっているうちは良かったのですが、

駐在生活につきものの会社の婦人会は夜でした。


ある日婦人会から帰って来るとその子に突然

「Ms.~。私のベビーシッターは今日が最後です。」と宣告されました !?

理由を聞くと「ぷっちのおむつを替えているとこの子は私をたたく。この子は私の手に負えない。」


14歳の子がここまではっきり言えることにビックリし、

何よりもこの時の“ too much =手に負えない” という言葉が私の胸にグサっと突き刺さりました。

「まだ2歳にもならないのにこの子は他人に見捨てられたショック!」と。


まだ2歳にもならない幼子がやきもちを焼き、自分の方を見てもらいたくてたたいたと私は分っても、

14歳の子にとってはただの乱暴な子だったのです。


直ぐに説明して分かったもらえばよかったのですが若かった私はショックのあまり何も言えませんでした。


そこで、めげてばかりいられない、と行動開始!!


習いたてのドイツ語を駆使して近くのスーパマーケットの掲示板にベビーシッター募集広告チョキ

何人か応募のあった中から子どが大好きだという17歳のアンドレアを雇うことにしました。


さすが17歳、まるで保母さんのような接し方で子供たちもすぐ慣れ、

それからはレッスン中、婦人会で家を空けるとき、買い物に行く時など安心して来てもらっていました。


今考えると、私は子供と同じ目線で遊んであげることが出来なかったのですが、それを補うように、

アンドレアは体を使って遊んでくれました。


彼女が来ると長男もぷっちも喜んで玄関に走り、よじ登り、

体の大きいアンドレアは二人をぶら下げるといった感じでした。


ある時アンドレアが「Ms.~。ぷっちはとてもお茶目で活発ね。」と言うので

「本当?」と聞くと、


目の前でアンドレアの手を持ってコトコト笑いながらくるくるくるくる何度でも回る。目

私の見たことないぷっちでした。


間違いなくわが子二人は私の足りないスキンシップをアンドレアに埋め合わせて貰っていたようです。


あの時アンドレアに巡り合っていなかったら今頃二人はどうなっていたかと思うとゾッとします。