<木村勇大が10桁ゴール>

大型台風「シンシン」(パンダみたいな名前だなオイ)がゆっくりと日本列島を縦断し、各地で試合中止が相次いで試合開催が危ぶまれたものの、ゲリラ豪雨が不定期的に降ったとはいえ大きな影響はなく、無事開催されたこのゲーム。

 

出場停止の栄斗に代わり前節契約で出場不可となった林が復帰した以外は、前節と同じメンバー。染野と松村はベンチスタートとなりました。

 

開始1分少々、最終ラインからサイドとつながれいきなり細谷に決定機を与えるも、ヴィドがセーブ。

 

しかし7分、小屋松のパスに反応して再び細谷がシュート。ヴィドが触るも雨でぬかるんだ影響かボールの勢いを止められずそのままゴールイン。早い時間帯にビハインドを背負いヴィドはゴール裏にごめんと反応するも、激励のチャントで再びピッチへ送り出します。

 

その8分後の15分、すぐにこのビハインドを打ち消す一撃が生まれました。

 

コロ助、山見とボールを繋いで柏のゴール前でボールを受けたのは勇大。チェックに入った柏DF野田をノーファウルで弾き飛ばし、左隅を狙った強烈なシュート。これが柏GK佐々木の手を掠めてゴールネットに突き刺さり同点に。

 

後半戦に入って初めての山見以外のゴールかつ(オウンゴールを除く)、彼にとって念願の10桁ゴール。J1ではカズの退団以降は外国人ストライカーが幅を利かせていたこともあり、03年の山田卓也以来、チーム21年ぶりの日本人二桁ストライカーの誕生となりました。

 

スタートから柏の猛プレスと濡れて踏ん張りが効きにくいピッチに苦しんでいましたが、徐々にゴール後はボールを握れる時間も増え、20分、26分とシュート。


そして30分、スローインからのボール奪取から山見がドリブルで自ら駆け上がりシュートを突き刺し、J1再昇格後初となる前半での逆転を果たします。


しかし前半AT、CKから戸嶋がPA外からボレーを放ち、これがゴール前のコロ助に当たって軌道が代わり2-2。撃ち合いの様相でハーフタイムに突入します。


<終盤は防戦一方も>

後半、柏が一気に三人を交代し勝ち越し点を奪いにくるも、次の一点を奪ったのはヴェルディ。


森田のミドルは佐々木に弾かれるも弾き出すのが精一杯で、溢れを拾った翁長がDFラインの間をぶち抜くシュートを左隅に突き刺して再び勝ち越し。


緑のゴール裏が歓喜に沸きます。


その後は柏の猛攻やピッチコンディションもあり脚を攣る選手が続出し、ほぼボールを前進できず防戦一方に。一度途中出場のユアンがサイドを駆け上がり数的優位のチャンスを迎えるも、競り合いで微妙なファウル判定を取られて決定機にはならず。


70分に柏ゴール前で綱島と細谷が激しく競り合い細谷が倒れるもノーファウル。


柏の猛攻を凌ぎ3-2で競り勝ち、2連勝。これで勝ち点は「41」となり、J1残留への一つの目安となる「40」を9試合を残して捉えることが出来ました。


<東京移転最高勝ち点>


思えば、東京移転後は降格となってしまった05年と08年以外も、苦しいシーズンでした。


01年は前半戦は開幕から低迷し、なんと最下位で折り返し。

後半戦監督交代やエジムンドやマルキーニョスらの補強で怒涛の追い上げで降格圏と勝ち点3で残留。


02年もエジムンドの合流遅れもあり開幕から低迷し監督交代、後半戦はなんとか追い上げて中位でフィニッシュ。


03年はエジムンドに代わり加入したエムボマのフィットに時間がかかった上、怪我人が続出し6連敗するなど残留争いに巻き込まれたため監督交代、そこから持ち直して後半戦は優勝争い(当時は2ステージ制)するなど巻き返し。


3年連続で開幕から低迷→監督交代を繰り返しており、残留争いと無縁だったのは、天皇杯優勝を果たした2004年のみでした。


いずれの年も勝ち点は40には届くことはなく、最高は2004年の39。なお、再昇格の08年は37に終わりました。


苦しいことの方が多かった東京移転後の歴史。もちろん通過点にはすぎないけれど、一つクラブとして過去を塗り替えることになった一戦であることに間違いありません。


<MOM>

マテウス


2失点こそあったがこの試合でも神セーブを連発!完全にJ1基準にアジャスト。

千田、宮原、綱島らの身体を張ったブロックも素晴らしかった!