<一世一代の賭け>

ヤマハでの完敗から中2日、急遽のオフにより事前会見もない異例の展開でどんな手を打ってくるか注目されましたが、打ってきたは急遽の前線3枚の変更。染野、勇大、見木をベンチスタートとしゴウキ、フウキ、山見の3トップ。バックには稲見がスタメン復帰。

 

会見では「賭け」という言葉も出ましたが、磐田からの中2日で細かい戦術変更などの時間はおそらくなく、コンディションがいいメンバーを優先的に起用し、前半しっかり守って相手の足が落ちることが想定される後半に勝負をかけていくという城福監督の明確な意思が見えました。一方で結果によっては批判にさらされることも間違いなく、前半にどれだけ耐えられるかというところがポイント。ゴール裏もボルテージを上げて選手にエールを送っていきます。

 

前半10分までマリノスをシュート無しに抑えるほど、前線の激しいプレスからマリノスを攻め立てる展開となり、12分ついに均衡が破れます。

 

得たCKからフウキが鋭いボールをゴール前に送り、これは流れてクリアされるもそのクリアボールが山見の足元へ。放ったシュートが美しい軌道を描いて壁をすり抜けマリノスのゴールネットに吸い込まれました。

 

そして畳みかけるように22分、林がダイレクトパスで前線にボールを出すと、空いていた右サイドにゴウキが走り込み、ゴール前に走り込んでいた山見へクロス。


これがカバーに入った上島の身体に当たり、ポープの手を弾いてそのままゴールイン。余力を残しながら2点のリードを奪います。


その後、マリノスDF渡辺タイキの頭にボールが当たって脳震盪で倒れ、カトレンと交代。開幕戦はベンチ入りも出場はなかったためこれが古巣初対決となりました。


やや高温多湿の中複数リードを奪ったことでやや受け身となったためマリノスのペースとなり、上記の対応で6分と長めに取られたAT、エドゥアルドのヘディングがゴールネットをゆらすもオフサイドに救われますが、再びゴール前の混戦から宮市の強烈なシュートが突き刺さり1点差。リードしながらもやや後味悪い形で後半に向かいます。


<歴史の1ページ>

後半も反撃を試みるマリノスに対し受け身になるも課題だった後半の入りを無失点に抑え、満を辞して染野、勇大、見木がピッチへ。


54分、ヤンマテウスがカウンターで抜け出し失点を覚悟しましたがマテウスが間合いを詰めてセーブ。


さらに宮原とユアンをピッチに送り出し、カウンターのチャンスを伺いながらも守備を固めていく展開に。


81分、Aロペスの強烈ミドルはマテウスがセーブ。


87分、CKから植中朝日へのマークがずれてフリーでヘディング。万事休すかと思われましたがこれは枠外。


93分、見木のボール奪取から宮原シュートは正面。そのカウンターからAロペスがPA内に侵入するも千田が身体を寄せてシュートはマテウスがセーブ。


そしてついに終了の笛。


開幕戦のリベンジを果たすとともに、今までリーグ戦では勝利がなく、カップ戦のゼロックス杯(現富士フィルム杯)で勝ったのみであった日産スタジアムに、ついにヴェルディの勝利の凱歌が響き渡りました。


<MOM>

山見大登


2得点に絡む文句なしの選出。これから夏場にかけてのキーマンは彼かもしれない!