<最高の雰囲気、今季最高の前半>

両チームのサポが席に着くやいなや挨拶代わりのブーイングが飛び交い、ヴェルディの選手入場時には向かい側から「ヴェルディ川崎」のエンターテイナーが聞こえ、両チームの選手紹介のコールは互いのブーイングでかき消される。


三万人もの観客が来場し、試合開始時には大人数のコレオが披露され、まさにダービーという雰囲気で始まった東京ダービー。


代表へと旅立った楓喜に代わりにコロ助と見木が久々に同時スタメン起用され、ベンチにチアゴアウベスが満を辞してメンバー入りしました。


序盤はFC東京の圧力に苦戦しなかなかボールを前進できずにいるも、28分にPA内に侵入した見木が倒されPKを獲得。


これを見木が冷静に決めて先制すると、わずか5分後の33分に宮原のボール奪取から染野が美しいボレーでゴールネットを揺らして、J1復帰後初めての複数点リード。


39分に谷口が脚を痛めたのか山越に交代を余儀なくされるも、43分にFC東京の安齋が2枚目のイエローで退場。


守備の要を負傷で失ったものの、複数点リードに加え数的優位という絶対的優位な状態で前半を折り返します。


<ATの悪夢>

後半に入っても数的優位もありヴェルディの優勢は変わらず勇大や森田がゴールを狙っていきますが、追加点は奪えず。


68分に遠藤渓太と寺山が投入されるのに対しこちらも翁長と山見のゲームチェンジャーコンビを投入しますが、次にゴールを揺らしたのはFC東京。


右サイドの山見へのパスをカットされてゴール前中央に上げられたところを走り込んで来た遠藤渓太がマークを振り切って一点を返されます。


その後、山見が決定的なシュートを2本放つも波多野の好セーブに合い得点はなりませんが、追加点も許さずリードのままATへ。


しかし勝利が濃厚になったATのラスト約残り一分…ロングボールの跳ね返りから再びゴール前に展開され、遠藤渓太の放ったシュートは無常にもマテウスの手をかすめてゴールネットへ…


少し時間が伸びたAT、諦めずに勝ち越しを狙うももはや力は残っていなかったか、あやうく逆転のピンチすらあり、試合は終わった。


ホイッスルがなった瞬間、何も言う気力もなく、椅子に座り込んだ。


目から溢れてきた涙をタオマフで拭った。


勝ったかのようにわき帰る彼らのゴール裏。感情を露わにする城福さんのメッセージを受けて、ホームゴール裏に戻った瞬間、激しいブーイングと強い言葉をぶつけられる選手たち。


自身初となる現地での東京ダービーは、忘れられない悔しさのもとで終わった。


ブーイングする気力もなく、何を言っていいかもわからず、ただ無言だった。


勝ち点2以上に、一瞬でいろんな物を失った気がした。


すぐに次とはいえないけど、8月にまた味スタで勝利を掴むチャンスは残されてる。


昨日自分がやれなかったこと、出しきれなかったこと、思い返せば全部脳裏に浮かぶ。


選手たちはそれ以上に思っているはず。


やるしかないよ。俺たちはヴェルディなんだから。