2023年7月、昇格争いの真っ只中に起こった前18番、バスケスバイロンの町田ゼルビアへの完全移籍はまさに青天の霹靂でした。

 

2023シーズン、数字上の貢献としては2ゴール2アシストという結果ではありましたが、サイド攻撃が肝となるヴェルディにおいて、間違いなく攻撃の核となる選手であっただけに、昇格争いへの影響は避けられないと思われました。

 

そんな中、強化部のスピード感ある動きでやってきたヒカル。

 

デビュー戦でいきなり2ゴールに絡む鮮烈なデビューで今後の大活躍を予感させましたが、そこから数試合は結果を出せず苦しみました。

 

序盤は個人で仕掛けるタイプだったバイロンと同じ役割を周囲が求めていた印象があります。

 

しかし、オウンゴールの誘発も含め2点に絡んだ金沢戦の活躍をターニングポイントとして「高精度なプレースキック」と「彼が単騎突破するのではなく、彼を活かすために周りが連動して動く」という戦い方をすることで、徐々に彼はヴェルディの戦術にフィットし、なくてはならない存在になっていきました。

 

そして語り草となるリーグ戦最後の味スタ連戦での劇的決勝弾。メディアからは「メシア」と称され、我々も呼ぶようになっていきました。

 

結果的に最終5試合中3試合でゴールを挙げ、プレーオフ千葉戦でも先制弾、決勝清水戦ではゴールこそなかったものの染野の同点ゴールに繋がるパスを出し、文字通り「メシア」と言える大活躍。ヴェルディの2023年の物語を振り返るに、無くてはならない存在でした。

 

今季、サガン鳥栖へと渡る彼。移籍というのは個人の権利ですから、それについて言うことはしません。

 

今季は共に戦えなくても、戦った日々の記憶はいつまでも僕らの中に語り継がれるでしょう。

 

試合で笑顔で再会できる日が、待ち遠しいです。

 

そしていつか、また仲間として戦える日が来ることを願って。