まあ、戻ってきて欲しかった気持ちもどこか心の端っこにはありましたが、やはりかという思いです。ただ、ヨーロッパへの移籍は全サッカー選手の夢であり憧れ。快く送り出したいと思います。


ユースから昇格の時点で右WGの一番手としてロティーナ監督に起用されるなど、彼について初めからモノが違うという雰囲気が漂っていた。なんせ、アンダー代表の10番でしたからね。


時折見せてくれる華麗なプレーや、プロ初ゴールとなった豪雨岡山戦でのダブルダッチからのゴールや、エスナイデル千葉を沈めたスーパーミドルなど、技ありと言うしかないゴラッソの数々はまさにファンタジスタと呼ぶにふさわしいもので、スケールが違う選手という風格が漂っていました。


ただ唯一残念だったのは立て続けに大きな怪我があり、ヴェルディで一度もシーズン通しての活躍は出来なかったこと。かつて天才と称されながら怪我に泣かされてきた稀代の選手たちを見ているだけに、将来が心配になってしまいました。


そんな中舞い込んだ海外からのオファーは、チームのその時の状況から考えて苦いものではありましたが、結果的に彼は一年目からレギュラーに定着し、チームの躍進に一役買ったことでレンタル延長、2年目からはエースナンバー10番を与えられ活躍。今年のカタールW杯には間に合わないでしょうが、次のワールドカップの候補には十分入ってきそうな、それだけの活躍を見せています。


何より大きいことは、彼がJ2にいながらヨーロッパへ直接ステップアップし、そのまま活躍して完全移籍の権利を勝ち取ったこと。


本日、新潟の本間至恩がベルギーに移籍するという報道があり、昨年はミズキもトルコからオファーを受けていた。


すなわち、J1や代表でのプレー経験がなくても、活躍すればヨーロッパのスカウトの目に止まり、ステップアップするチャンスがあるということです。


もちろん、J2にずっといることがそれでいいわけではありませんが、選手たちには急いで上のカテゴリに移籍を選ばなくてもいい、そういう流れになってきたのかもしれません。


これからも直接多くの選手たちをヨーロッパへと送り出し、クラブがさらに発展し成長していくことを願ってやみません。