えー、半年ぶりの不定期企画です。気がつけば8回目の長寿企画?ですよ。
以外と反応をくれる方が多いので、懲りずに続けてますが、気がつけばJ元年から時は流れ、時代は初の降格時へ。今回登場するのはそんな混迷な時代を支えた屈強なボランチ、ゼ・ルイス選手です。
2006年にはじめてのJ2降格となってしまったヴェルディは、大活躍していたものの高年俸であったエースのワシントン選手と、シーズン途中から加入し奮闘していたジウ選手の2人をコストカットから放出せざるを得ませんでした。
しかし、初めてとなるJ2での戦いに向けてフロントは新外国人選手の獲得に成功し、サントスのスーパーサブだったFWバジーリオ選手、以前にも獲得リストに上がっていた技巧派トップ下アナイウソン選手、元磐田のスピードのあるDFデジマール選手の3人を補強し、1年でJ1に復帰するぞ!と意気揚々でした。
しかし、この目論見は残念ながらすぐに崩れ去ってしまいます。
まずバジーリオ選手は素晴らしいストライカーで結果も残したのですが、残念ながらシーズン途中に今季中の復帰が絶望レベルの大怪我を負ってしまい契約解除。
次にアナイウソン選手は、最初はレギュラーとして起用されていたもののチームにフィットせず構想外となり、デジマール選手に至ってはパフォーマンスが常に低調で、2人とも契約解除。シーズン途中に全員退団となってしまったのです。
慌ててヴェルディは、川崎から元J2得点王のストライカーマルクス、ブラジルからサイドバックのヒキ、そしてゼ・ルイスの3人を獲得したのでした。
ゼ・ルイス選手は同ポジションの補強だった2人とは違い、トップ下ではなく後ろの方のポジションでしたが、ヴェルディのそれまでの戦いぶりを見て、必要なのは技巧派の司令塔よりも、後ろの強度を上げてくれる選手だと思ったのかもしれません。
ブラジルでは主にサイドバックを務めていたゼ・ルイス選手でしたが、ヴェルディではその反応の速さとフィジカルの強さを売りにアンカーとして起用され、チームは昇格を逃したものの、出色の活躍を見せました。かのカピトンを思わせるような頼もしい仕事人であったのは想像に難くありません。
翌年のヴェルディは日本で活躍した外国人選手にターゲットを変更して、かのフッキ&ディエゴコンビがやってくるわけですが、それでもゼ・ルイスはしっかり戦力としてカウントされ翌年も契約を更新します。
しかしながら、翌年はチームの戦術変更や負傷もあり出場機会が減り、シーズン後半から復帰したものの、そのタイミングで父親の体調が悪化し、父の側にいられるという理由から名門サンパウロからのオファーを受託し、退団となってしまいました。
その後は彼の意思を受け継いだ菅原さんが見事に穴を埋め、ヴェルディはJ1復帰を果たします。
初めての降格の混乱から、J1が見えたシーズンまで駆け抜けて、そして志半ばで去った仕事人、ゼ・ルイス。
その後、苦しい戦いとなったJ1復帰のシーズンや、中盤で崩された時に思うのです。
ゼ・ルイスがいてくれたらなあ…と。