<強烈な先制パンチで勝利を確信したが>
森田、リヒトがベンチ外となり、新加入の竜士とハマちゃん、そしてカジが久々のスタメン。
いきなり試合は動く。7分、カジの中盤でのスルーパスをエーコさんが受け、慌てて対応に入った栃木の守備を交わし、鮮やかな先制。頼れるエースに待望の一発が飛び出した。
そして10分にも動く。ゴール前、好位置でのFK。蹴るのは新加入浜ちゃん。蹴り上げられたボールはゴール上でガクンと下に下がり、キャッチにいった栃木GKオビを嘲笑うかのようにゴールネットに突き刺さる。
前半10分で早くも2-0。これで今日は勝てると思えない方が少数だろう。その後も何本か決定機を作るが、オビの攻守に阻まれる。
しかし前半の終わり側、前線のパスミスから前回もゴールを決められた畑に決められ1点差。あと味が悪いもリードは変わらなかった。
<疑問の残る采配>
しかしHTに、それまで前線で身体を張っていた竜士を下げて優平を投入。竜士がまだ長時間出れる状態ではなかったかもしれないが、ここでフォメを普段に戻したのは完全に悪手となってしまう。
前線でボールを保持できなくなり、守勢に回る時間帯が増える。決定機と言えるのはCKからのボニのヘッドぐらい。栃木の選手交代は劇的な変化を見せるようなものではなく、自分たちでゲームを壊してしまったようにしか見えなかった。
それでもかろうじて耐えてはいたが、後半27分にこぼれ球をねじ込まれ失点。ボニに当たって軌道が変わるアンラッキーなゴールでもあった。
ジャイルトン、リョウガ、戸島ら中盤の人数を削ってまで攻撃的な選手を投入し最後まで追加点を取りにはいったが、前線で意図が噛み合わず決定機は作れないままタイムアップとなった。
<ベンチワークの修正は不可避>
カウンターと違い、ボールを持つサッカーは個の力の比重が高い。もちろんアクシデントや外的要因でベンチワークの制限もあったかもしれないが、竜士の交代はなぜ役割もタイプも違う優平だったのか。なぜマヒロを散々ベンチに帯同させて置きながら使わないのか。そもそも中盤のパサーがベンチに一人しかいないのはバランスがおかしい。
結果的に、チームとしての弱さではなく、駒の使い方を間違えているとしか思えない結果で、ヴェルディはまたしても勝ち点2を失った。
概念として次強豪京都に勝てれば手の平返しはできる。でもただそのビジョンは未だに見えない。
今季いっぱいこのサッカーを続けるのなら、いい加減目を覚ましてくれないか。
次の勝利は本当に価値があるものになるだろう。問題はそのイメージがいまのピッチ上でみえている事象からは見えてこないことだ。
