今回紹介する選手は、新加入の選手の中でも、最も特別な選手です。かつてヴェルディサポーター誰もに愛される選手でありながら、最もヴェルディサポーターからの怒りを買った選手、その名を河野広貴といいます。


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 以前の記事でも触れたことがありますが、ヴェルディは日本サッカー史上初めて中学、高校のチームを持ち指導を行ういわゆる「下部組織」のパイオニアではあったのですが、川崎末期から東京移転直後は平本一樹、飯尾一慶、富澤清太郎以降はなかなか下部組織から昇格してもトップチームで活躍する選手が出て来ず、プロ化以降伸び悩む選手が増えていました。そんな中、ヴェルディユース出身の久々の天才、それが河野広貴でした。


 若くからその素質はクラブ内外から注目を受けており、07年にユース所属ながら飛び級でトップチームに登録されると、08年にはJ1復帰の開幕戦で川崎フロンターレの中村憲剛を真っ向勝負でぶち抜く衝撃的なデビューを果たし、1年目から主力として活躍しますが、チームは力及ばず1年で再びJ2降格となります。


 その年のオフシーズン、彼の素質に目を付けた複数のJ1クラブからのオファーを受けましたが、全て断り翌年もヴェルディに残留します。その後、チームは消滅危機など数多くの困難があり、J2から這い上がることが出来ない時が続きましたが、彼はチーム愛からヴェルディでプレーし続けました。


 しかし、2011年オフ、ついに彼はJ1へ旅立ってしまいます。そして移籍先として選んだのが、よりによって同都市のライバルであったFC東京だったことで、多くのヴェルディサポーターは一転して彼に「裏切り者」というネガティブな感情を抱くようになってしまいます。


 移籍して数年は、なかなか試合に絡めずに苦しいシーズンが続いたものの、FC東京でもレギュラーを奪回することに成功し、徐々にFC東京のサポーターからも判定に不服となり激高する姿に「河野落ち着け!」というのがお約束になるなど、愛されるようになっていきます。


 しかし、2017年に監督が交代するとポジションを失い、夏にサガン鳥栖に移籍するも、2018年はほとんど試合に絡めず苦しいシーズンを送ることになり、そこに古巣ヴェルディから声がかかったことで、今回復帰することになりました。


 悲しき別れから8年、彼のその「覚悟」がヴェルディを再びJ1に導くことを信じて。


 次回の新加入選手紹介は ネマニャ コイッチ選手です。