こうして、ロティーナ監督、イヴァンコーチはヴェルディは2年間でヴェルディを去ることになりました。
2019年シーズンを迎えるにあたり、監督、コーチ陣も一新され、そのもと既に新しいチームが始動しています。
しかし、二人がヴェルディを率いた2年間、ヴェルディの多くのことを二人は変えてくれました。
それまでヴェルディが誇っていたのは「輝かしい歴史」による財産でした。読売クラブから始まり、ヴェルディ川崎、そして東京ヴェルディ1969・・・。歴史が流れる中で、所属してきた選手、監督、コーチたちがしっかりとした育成の組織を持って受け継いできたものは、今後も残さなければならない「宝」であります。
しかし一方で試合に勝つための「戦術」という面においては、時代の流れに取り残されている面が多くありました。ヴェルディが参考にしてきたのは、いわゆる南米式の、あまりチームに決まりごとを設けず個人のアイデアを最大限に活かす方式です。しかしワールドカップにおいて、その戦術の象徴であるはずのブラジルが02年の日韓大会を最後に優勝から遠ざかっているように、ヨーロッパの細かいルールや決まりごとなどに構成された明確な戦術を持つチームの方が、現在では良い成績を収めている方が多くなっています。
チームの中で明確な役割、約束事を決め、事前に相手に対するスカウティングをしっかりと行うこと。以前のヴェルディは過去の伝統を大事にしようとするあまり、こういった部分がおざなりになってしまい、同年代の高校、ユースチームの中でも能力が高い、各世代の代表選手を排出するなど個の才能を伸ばすことに現在でも定評があるにも関わらず、現在は2部に相当するプリンスリーグ関東で戦うことを余儀なくされています。それは育成年代から海外の戦術や指導方法などを学んだ指導者が多くなり、そういった時代の流れに適応できなくなったからに他なりません。
ロティーナは今まで個人プレーに走っていたヴェルディに、初めて「組織で勝つ」「準備をして勝つ」「相手を分析して勝つ」といった文化をもたらしてくれました。食事面、コンディション管理、そして相手に対するスカウティング。これは今までのヴェルディにほとんど無かった文化です。
今年からバトンを受け取ったギャリーホワイト監督は攻撃を重視する監督で、チームの色も同時に変わるかもしれません。しかし、二人とともに歩んだ選手たち、スタッフの方々が二人から学んだことを伝えていくことは出来ます。それはヴェルディのひとつの歴史として、今後も引き継いでいくべきものです。
二人のこれからの歩みが、光り輝くものであること。そして二人がヴェルディで紡いだ日々が、今後も偉大なる物語として語り継がれていくことを祈って。
THE END