昨年の夏からヴェルディにレンタル加入していた泉澤仁が、ポーランドのMKSポゴニシュチェチンに完全移籍することになりました。
ただ、これについても思うのは「残念」という気持ち以上に「ありがとう」「おめでとう」という感情です。
阪南大から大宮アルディージャに加入した彼は、1年目から頭角を現し、2年目はチームの優勝でのJ1復帰、翌年はJ1で5位、天皇杯でも準決勝に進出するなどチームの躍進の立役者となって、2017年にガンバ大阪に鳴り物入りで移籍、そこでもレギュラーとして活躍します。
しかし、2018年、ガンバ大阪の監督が長谷川健太からクルピに交代すると、一転して構想から外れJ3に所属するアンダーチーム、ガンバ大阪U-23での出場がメインになってしまいます。
そんな状況で舞い込んだヴェルディからのオファーに、ほぼ即決に近い形で了承し、彼はヴェルディにレンタルで加入することになりました。
ヴェルディにおいても一瞬で相手を置き去りにしてブチ抜く「ゼロヒャク」ドリブルを武器にいくつもチャンスを作ってくれましたし、山形戦や横浜FC戦では自らの鮮やかなゴールも決めてくれました。
しかし、リーグ戦終盤の松本山雅との大一番、激しい接触で足首を骨折してしまい、それ以降ピッチに立つことは出来ませんでした。プレーオフの大一番で出場できなかったことは本当にチームにとって痛手であり、彼にとっても悔いが残ってしまいました。
本心は来年もヴェルディの一員として、昇格を目指して戦って欲しかったです。
しかし、それ以上に、ヴェルディでの活躍が認められサッカーで日本人選手なら誰もが憧れるヨーロッパでのプレーを勝ち取ったことは、本当に祝福すべきことであり、嬉しいことです。
また、彼の移籍コメントが長く所属していたはずのガンバ大阪よりも、ヴェルディでのコメントがはるかに長く、サポーターに感謝の言葉が多く記されていたことに、こちらこそ感謝したい、そう思います。
ヴェルディにおいて、育成組織の優秀さや指導者だけでなく、「選手に対して優しいサポーター」という一つのアピールポイントにも繋がる可能性があります。
彼のさらなる飛躍と、今シーズン彼を上回る活躍を見せてくれるヴェルディの選手が出てくれることを願って。
ありがとう、泉澤仁。