サミュエル・エトーは、数日中に移籍に関する進展がない限り、バルセロナに残ることになりそうだ。ジョゼップ・グアルディオラ監督は当初の計画を見直し、エトーを戦力と見なす方向でチーム作りを進めるもようだ。とはいえ、現時点では明確な決断は下されておらず、クラブとしては米国遠征の結果も踏まえて、最終的な決断を発表することになりそうだ。

 グアルディオラ監督は、この3週間のエトーのトレーニングへの姿勢を評価している。エトーはほかのチームメートと同様、熱心に練習に取り組み、7日のニューヨーク・レッドブルス戦でも2得点を挙げるなど、プレシーズンではゴールを量産して活躍を見せている。一方で、自身の将来については沈黙を守り、問題発言でチームの調和を乱すようなことを極力避けており、こうしたピッチの外での振る舞いも評価の対象となっているようだ。

 グアルディオラ監督は「エトーのレベルを上回り、かつバルサが獲得できるような選手」が市場に存在しないことを承知している。クラブの希望する選手は売却対象ではなく、また売却対象の選手はエトーの実力に及ばない、というのが現実だからだ。

 バルサの方向転換のポイントは、グアルディオラ監督の熱望していたアデバヨルがアーセナルと契約更新する意思をはっきり示したことだった。グアルディオラ監督は、すでにエトー残留を受け入れながらも、万一、数日中に動きがあった場合を考慮し、明言を避けているようだ。

 一方、ここ数日エトーに関するコメントを避けていたジョアン・ラポルタ会長は、次のように語っている。
「エトーには期待しているし、彼の振る舞いには誇りを感じている。エトーは高い資質を持った一流の選手であり、人間としても素晴らしく、私自身、彼とは良好な関係を保っている。数日中にはエトーの将来について最終的な決断を下すつもりだ」

 チキ・ベギリスタインTD(テクニカル・ディレクター)は、エトー問題のタイムリミットをチャンピオンズリーグ予備選の始まる12日と定めている。「異変でも起こらない限り、エトーはバルサに残るだろう」というのが大方の見解のようだ。


スポナビより転載