4月最後に。
今日、部屋の整理をしていて懐かしい写真が入れられた箱が出てきた。
捨てようと思って、その都度捨てられなかったのが、この写真たち。
なんてことのない、高校時代や大学時代の懐かしい写真ばかりで、当時の記憶を蘇らせる貴重なものだった。
でも、楽しい思い出ばかりでもなく、苦い思い出もあるし、もちろん、その写真に映る人たちで、現在も定期的に会っている人はいない。
そう考えると、私の人生において必要なものではなく、むしろ収納を圧迫していたのは事実。そこで、今日という日をきっかけに思い切って捨てることを決意。
最後にひととおり懐かしみ、ためらいもなく破り捨て始めた。
しかし。5枚だけ破るのをためらう写真があり、手を止めてしまった。
思い出を作らせてくれた人がそこにはいたわけで、もう何年も存在すら思い出してなかった人との写真。
最初から元気に挨拶してくれた人。
雨が降った時、一緒にバスを待った人。
いっしょにレポートを書いてくれた人。
試験前にノートを貸してあげた人。
うそをつく時、我慢できずに笑っちゃう人。
カミナリが苦手でいつもビックリしちゃう人。
ご飯をおいしそうにたくさん食べる人。
恥ずかしくなると背中を叩いてくる人。
一緒に歩幅を合わせて歩いてくれた人。
大きい背中が頼もしいねって言ってくれた人。
夜ふかしが苦手で、つい眠くなっちゃう人。
メールより一回の電話が好きな人。
写真を撮る時、ニコニコしてくれる人。
方向音痴なのに道を知ってるフリをする人。
飲みに行く?って誘ってくれる人。
一緒に抜け出そっか?で抜け出してくれた人。
数年後の未来を語った人。
慣れと甘えが出てきてしまった人。
優しさの方向性がすれ違い始めた人。
遅刻とドタキャンが増えた人。
歩幅が少しずつ合わなくなった人。
うそを笑わずにつけるようになった人。
会話に「ごめんね」が増えた人。
喜びを伝えたいのに隣にいなかった人。
近かったのに遠くなった人。
目をそらしがちになった人。
区切りをつけられた人。
この思い出が無くたって今後の人生に影響は与えないのはわかっているからこそ、
最後に思い切って全て破り捨てて思い出にお別れした。ありがとう。そしてさようなら。
この思い出の始まりも、終わりも。