- 宗教哲学の根源的探究/北樹出版
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第二弾で何を紹介するか迷ったのですが、人生に意味がない、というニヒリズムに苦悩しながらも、このことは結構知らない人が多いのではないか、と思い、この本を先に紹介させていただくことにしました。
著者の花岡永子さんは京都大学の名誉教授で、キリスト教と仏教双方に造詣の深い人です。
彼女の思索は西田幾多郎の哲学や、そこから発する京都学派の影響が強く、それを武器にして東西の宗教の対話を試みます。
その中の一つに、ニーチェのニヒリズム、狭義には「神の死」の問題の、解決策の提供があります。
ニーチェのニヒリズムは、私自身はさしあたっては木田元の反哲学に習って、プラトンに始まり、アリストテレス、彼らの哲学を下敷きにして神学を展開したアウグスティヌス、トマス・アクィナス、その後デカルト、ライプニッツ、カント、ショウペンハウアー、ヘーゲルらに受け継がれてゆく、超越と内在の二元論の挫折と把握していますが、
西田哲学はこの西洋哲学の思考の枠組みに対し、「絶対無」「絶対矛盾的自己同一」「行為的直観」「純粋経験」などの概念を用いて、禅仏教と関係のある、独特の哲学を展開します。
花岡さんの思索は、それを継承したもので、西田哲学を「ニヒリズムの入りこない哲学」と位置付け、その克服を唱えます。
この文献の第六論文などに詳しいですが、私は読みこなせたとは言い難いです。
これを読む前に、西田哲学の基礎を踏まえる必要は、あります。
彼女の論文がフリーでネットからダウンロードできますので、こちらに目を通すのもいいと思います。「ニヒリズム克服の問題」(大阪府立大学人文学会出版の人文学論集より)
http://repository.osakafu-u.ac.jp/dspace/handle/10466/8831
数々の批判もあるようですが、仮説としては成立しているようで、かなり期待しています。
高額、難解を押してでも解消したいと、ニヒリズムに本当に悩んでいる人には、ぜひおススメ。
理解して損はないと思います。