一体なぜ技術力は、国家資本としての価値を喪失してしまったのであろうか? | まきしま日記~イルカは空想家~

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ちゃんと自分にお疲れさま。

以前ネットで、米機関による2075年の各国のGDP予測を見たことがある。それによると1位が中国、2位がインド、3位がアメリカで以下ナイジェリア、インドネシア、ブラジルと続く。これらの国々に共通して言えるのは、広い国土や大きな人口、そのいずれかあるいは両方を有していることだ。

 

これまでイギリスやフランス、ドイツや日本といった国々がなぜ大国たり得たのか。それは高い技術力を有していたからだ。では一体なぜ技術力は、国家資本としての価値を喪失してしまったのであろうか。思うにその原因は情報技術の発達である。18世紀にイギリスで産業革命が起こった際、その技術が世界に浸透するのに数十年を要した。しかし現代では、どこかの国が革新的な技術を開発したとしても、その情報は1日も経たぬうちに世界中に発信されてしまう。そして情報があれば、他国がその技術を解析して模倣することも容易である。よって技術力は極めて流動性の高い資本となり、国土や人口、資源といった流動性の低い資本に対して抗うことが出来なくなってしまったのではないか。

 

以上より、俺は心から憂う。仮にこの先、日本が技術力で再び世界を先導することがあっても、もう二度と大国の地位に返り咲くことは出来ないのではないだろうか。