人は無条件にゴキブリを叩き潰す | まきしま日記~イルカは空想家~

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ちゃんと自分にお疲れさま。

家の中でゴキブリを見つけたら、人は無条件にそれを叩き潰す。その行為に疑問を感じたことはあるだろうか。

 

例えば家の中にチョウが迷い込んだ場合、それを容赦なく叩き潰す人は少ないだろう。それがミツバチのように人体に甚大な害を為す虫であったとしても、まずは窓の外へ逃がすことを考えるはずだ。しかしそれがゴキブリであったなら、人は躊躇なく叩き潰そうとする。特筆すべきは、そこに一片の迷いもない点だ。迷いとは、ある判断を過去の経験と照らし合わせて吟味することである。過去にゴキブリから直接的な害を受けた覚えがなくても、それが汚いと聞いたから、皆そうしている当たり前の事だからという理由で、人はそれを遠慮なく駆除することが出来るのだ。

 

つまり人は社会的イデオロギーによって、ある対象を非合理的に嫌悪することが出来てしまうのである。仮に国家やメディアが特定の人種や出身、職業や性別の人たちを差別対象と見なしたら、人々は彼らを害することに何の疑問も抱かなくなるだろう。それはこの上なく恐ろしいことではないだろうか。