【妄想劇場】 滅びゆく太陽(その2) | まきしま日記~イルカは空想家~

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ちゃんと自分にお疲れさま。

「フンッ」
「ぐ、ぐはぁ」

「…」
「…うぐ、うぬぬ…」

「そんなに死にたいか?全くイカレた教団だぜ!」
「…認めん」

「あ?」
「認めんぞ…」

「…」
「太陽を破壊して地球を捨てるなど、ワシは絶対に認めん!!」

「太陽のコアを取り出し電磁エネルギーに変換して、コロニー型宇宙船で太陽系を脱出し系外惑星へと移住する。”ノアの箱舟計画”は地球連邦政府がすでに決定したことだ!!」
「だが、世界市民の40%はそれに反対した!!」

「世界市民の過半数が支持した!だから計画は実行に移された!それが民主主義だ!!」
「…」

「なあ、爺さん。あの太陽を見てみろよ?」
「…」

「あの赤黒い、今にも空から消滅しそうな、力のない弱弱しい光。まさに不様な燃えカスの姿だ。外気温はマイナス80度。植物は光合成さえ出来ず動物種の97%がすでに死に絶えた」
「…」

「そして航空宇宙局の計算では太陽は今後1000年以内に60%の確率で重力崩壊を起こす。そしたらこの太陽系から一切の光は失われ、地球は滅亡だ!」
「…」