ご存知アニメ『それいけ!アンパンマン』。それにつき、兼ねてより思っていたことがある。「ことあるごとに取り換えられるアンパンマンの顔。あれは食べ物を粗末にする行為ではないのか」。
周知の通りアニメ『それいけ!アンパンマン』においては、アンパンマンが顔に水や泥を浴びせられると本来の力を発揮できなくなってしまい大ピンチ。しかしバタ子さんが届ける新しい顔と取り換えることで元気100倍、バイキンマンをやっつけるのだ。けれど膨大な食材を費やして作られているであろうアンパンマンの巨大な顔、YouTubeの某検証動画によるとその重量は112kg、実に800人分にもなるらしい。そんな代物が毎週毎週ほとんど食されることもなく、いとも簡単に廃棄されるのだ。それは子供の環境教育上、あまり宜しくないのではないだろうか。
しかしながら、ある時ふと思い直した。環境教育とは子供が小学校の高学年にでもなってから学習すれば良いこと。それよりも何よりも、幼児のうちからしっかりと学んでおかなくてはならないことがある。ずばり衛生教育だ。「水や泥で汚れた食べ物を口にしてはいけません」。子供の健やかなる成長を考えるのであれば、それは早い段階で教えて然るべきことだろう。アンパンマンの顔を取り換えるシーンは、あるいは子供の衛生教育を踏まえた上での演出なのかも知れない。
やはり侮るなかれ、30年の永きに渡り老若男女に愛されし国民的アニメ『それいけ!アンパンマン』。それは間違っても俺のような頭でっかちの屁理屈屋がどうのこうのと脇から口出ししていいような浅薄な作品ではなかった。論じることが許されるのは、子供の知育に切実に携わるママさんたちだけであろう。