すき焼きが食いたい!!だが、その作り方が俺には分からない!! | まきしま日記~イルカは空想家~

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ちゃんと自分にお疲れさま。

すき焼きが食いたい。だが、その作り方が俺には分からない。

もっとも、すき焼きなんて気取っていても所詮は鍋料理だ。鍋にすき焼きの素と肉と野菜をぶち込んで一気に煮立てれば、すき焼き風ごった煮の完成である。

だが、俺が食いたいのはそんなバッタモンではない。京風でも関東風でもどっちでもいい、ちゃんと由緒ある手法に則った正統かつ伝統的なすき焼きが食いたいのだ。

さて、すき焼きの作り方には都市伝説がある。

まず鍋を熱して牛脂を敷き、牛肉を焼く。そして肉に火が通ったら割り下を注ぎ、豆腐、春菊、白滝、椎茸を入れてひと煮立ち。野菜に十分に火が通ったら完成である。拝して食すべし、と。

アホか。野菜に完全に火が通るまでに一体どれくらいの時間がかかると思っているのか。そんなことをしたら最初に入れた牛肉は、火が回り過ぎてシワシワのクッチャクチャだ。A5ランクの霜降り国産牛がモーモー泣いてるわ。

だいたい鍋のキャパシティを考えたら、全ての肉を始めに一気に焼ける訳ではあるまい。せいぜい2、3枚が限度である。

一体何のために最初に意味もなく肉を焼くのか。それは一種のセレモニーだろうか。これからすき焼きを喰うぞという意気込みの儀式、肉はそのための生贄なのだろうか。

そんな役回りならグラム79円の豚コマで十分だ。貴重なA5ランクの霜降り国産牛をそんな式事のために、一枚たりとも費やしてたまるか。